X、Threads、BeReal……百花繚乱のSNS、2024年に勢力を伸ばすのは?:2023年、話題になった「あれ」どうなった?(3/3 ページ)
「Twitter」消滅からの「X」へ衣替え「Threads」の台頭に、盛らないSNS「BeReal」の急成長――。百花繚乱の様相を呈するSNS、2024年はどのように進化していくのか。
BeReal、勢力拡大へ次の一手は?
SNSは、はじめに流行に敏感な若者が飛びつき、やがて世代を超えて広がることが多い。直近では、ショート動画共有サービス「TikTok」が良い事例だ。
その若者に今、人気急上昇中のSNSが「BeReal」だ。BeRealは、これまでのSNSと明確にコンセプトが異なる。名称通り、リアルの共有を楽しむためのSNSだ。20年1月、フランス・パリにあるBeReal社がリリースしたサービスだ。
SNSには「映え」や「盛り」で人気を集められる側面がある。普段は訪れないような高級レストラン、美顔加工を施した自撮り、フェイクを混ぜた文章でも、いいね数やフォロワー数が稼げればいいという人も多い。
しかし、ごく普通の人にとっては疲弊する行為でもある。日常生活にそれほどキラキラした時間はない。加工していない顔を見せている人に、偽りの自分を見せ続けることも恥ずかしい。そこで、Instagramのストーリーズのように24時間で消える投稿が使われている。また、公開用のアカウントと、親しい人とつながるアカウントを分けて運用する人も多い。
そんな人たちの前に現れたのがBeRealだ。BeRealは通知が来たら2分以内に前後カメラで撮影した画像を投稿する仕様になっている。通知が来る時間はランダムで、早朝の時もあれば、深夜の時もある。2分以内に撮影するとボーナスとして複数枚投稿できるようになるが、完全に寝起きの顔で散らかった部屋にいる場合もあるだろう。しかし、BeRealはスマホに保存している画像は投稿できず、加工なしの画像しか投稿できない。となれば、覚悟して思いっきり寝起きの表情をシェアする。普段から仲がいい友人たちに喜んでもらえる投稿は何か、通知から2分間で頭を巡らせる。偶然テーマパークで仲間と楽しんでいる時に通知が来たら、こんなにラッキーなことはない。そんなゲーム性が大きな魅力となっている。
いいねなどをする絵文字は「Realmoji」という自分で撮影して作るスタンプを使う。自分の投稿に対して、本当に友人が「いいね」や「悲しいね」という表情をしているスタンプを付けてくれるのは嬉しいものだ。自分のためだけのスタンプを用意してくれる人もいる。
12月13日には「BTS」 (Behind The Scenes)という機能が登場した。写真が撮影される数秒前からの短い動画を共有できる。よりリアルな状況をシェアできるのだ。また、さらに親しい友人に公開範囲を狭めた「RealGroups」機能も年内提供予定であり、より深い交流を可能にする。
公開範囲を「友達の友達」に広げる機能や、友達をタグ付けできる機能も追加されており、BeRealでの交遊関係を広げる意向も見える。SNSの運営で重要なポイントは、収益化だ。サブスクリプションや広告などの手段があるが、いずれにしてもユーザーの数が前提となる。親しい友人以外との交流も可能にすることで、拡大を狙う計画なのかもしれない。
23年はSNS激動の年だった。24年も引き続き、X、Threads、BeRealには注目していきたい。Xは人々のアテンションを集めるクリエイターの支援に力を入れていきつつ、スーパーアプリへ進化していくのかもしれない。Threadsはユーザーが新たな文化を創り始めたばかりであり、どう着地するのか楽しみだ。BeRealに関しては、若者以外へのアプローチをどう進めるのかも気になっている。2024年も熱い年になりそうだ。
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