ローソンで「くじ」の売上が急増 お店の一等地に陳列されるようになった理由とは?(1/2 ページ)
ローソンで「くじ」の存在感が増している。2019年と比べると、くじの売り上げは3倍近くにまで増えているという。加盟店も、客単価増が見込めることから積極的に導入している。どうしてなのか。
ローソンが「くじ」に注力している。2019年と比べると、くじの売り上げは3倍近くにまで増加。販売するくじも、かつては月2〜3種類だったが、10種類近くまで増えているという。なぜ、くじの買い場として定着しているのだろうか。同社の小林義和氏(エンタテインメントカンパニー マーチャンダイザー)に話を聞いた。
ファンが約800万人のくじもある
ローソンで販売しているくじとはどういったものなのか。BANDAI SPIRITS(東京都港区)が販売している「一番くじ」の例で説明しよう。
一番くじは、オリジナルグッズが当たるハズレなしのキャラクターくじだ。全国のコンビニ、書店、ホビーショップなどで販売しており、お店で最後のくじを引くと特別なラストワン賞が手に入る。24年1月6日からは『一番くじ 劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』をローソンなどで順次発売する。
実際の購入シーンとしては、一番くじの購入券をレジに持っていく→支払い後にくじ券を選んで引く→くじ券をめくって書かれている商品がその場でもらえる、という流れだ。
ラストワン賞だけでなく、ダブルチャンスキャンペーンといった追加の商品獲得チャンスも用意している。ダブルチャンスキャンペーンの場合、くじ券のキャンペーンナンバーを専用ページにアクセスして入力。当たりの場合は、商品の発送先を登録する仕組みだ(出所:一番くじの遊び方)。日経トレンディの記事によると、一番くじの会員(ファン)は約800万人だという。
一番くじ以外にも、セガの「ラッキーくじ」やタイトーの「タイトーくじ」などがある。
きっかけは『鬼滅の刃』
ローソンでくじの売り上げが急激に伸びるきっかけになったのは、アニメ『鬼滅の刃』だという。20年頃にブームとなった際、ローソンはさまざまなカテゴリー横断でコラボを実施。くじも売れに売れたという。小林氏は「当初、コンビニでくじが売れるのかどうか半信半疑のお店も多かったのですが、鬼滅の刃のヒットで自信を持つようになりました」と振り返る。
かつて、くじの値段は1回500円程度だったが、現在は700〜800円が主流だ。平均すると、1度の買い物で2〜3回分購入する人が多いが、好きなコンテンツのくじが出ると3〜5回分買うファンもいるという。コンテンツによってファン層が異なるが、全体を見ると女性客のほうが若干多い。家族連れの場合、子どもが「このグッズが欲しい!」と親におねだりして1回分だけ衝動買いするシーンも見られるという。
くじだけでなく「からあげクン」といったカウンターに置いてある商材を一緒に買うケースも多いことから、客単価向上にも寄与している。
このように、くじを購入する人が増えたことから、多くの加盟店では目立つ場所(入口付近の棚など)に陳列するようになっている。
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