ローソンで「くじ」の売上が急増 お店の一等地に陳列されるようになった理由とは?(2/2 ページ)
ローソンで「くじ」の存在感が増している。2019年と比べると、くじの売り上げは3倍近くにまで増えているという。加盟店も、客単価増が見込めることから積極的に導入している。どうしてなのか。
なぜ売れるようになったのか
なぜ、ここまでローソンでくじが売れるようになったのか。
小林氏は「コロナ禍で、巣ごもり需要が高まりました。遠くに出かけられないため、近くのコンビニで気楽に楽しめる娯楽としてくじが選ばれるようになったのではないでしょうか」と分析する。
好きなキャラクターを応援する「推し活」文化が浸透したことも背景にあるとみられる。特に若年層は「このアニメ・ゲームが好き」「アーティストを応援したい」という気持ちを隠さなくなっており、グッズを積極的に持ち歩くようになっている。
くじの特性も関係している。基本的に全てのくじにハズレはなく、何かしらのグッズがもらえるため、推し活に使える。もし、大当たりが出たら通常700円では買えないようなグッズが手に入るため、お得感もある。
多くのくじでは、最後のくじを引いた人に特別な賞を用意している(前述の「ラストワン賞」など)。売れ残りが出にくい仕掛けになっているので、お店としても仕入れのハードルが下がる。
ローソンとしても、ローソンエンタテインメントやダブルカルチャーパートナーズといったグループ企業がくじ事業を手掛けており、独自商品を開発している。最近の事例だと『からあげクン×サンリオキャラクターズ当りくじ』を12月1日から順次発売している(商品がなくなり次第終了)。
コロナ禍が収束し、リアルなイベントなどに出かけるファンも増えているが、くじの売り上げに影響はないのだろうか。小林氏は「コロナの影響は落ち着きましたが、勢いは衰えていません。コンビニでくじを引くという行動が根付いてきたように感じます」と分析する。
ファンが使えるお金には限りがある。アーティストを応援するためにライブに足を運びグッズを購入することと、身近なコンビニでくじを購入する行為を天秤にかける消費行動が浸透してきたようだ。
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