マツダの「MX-30 ロータリーEV」 現時点で“EVの最適解”と言えるワケ:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
マツダがロータリーエンジンを復活させたことで注目される「MX-30 ロータリーEV」。ロータリーエンジンを発電に使うこのクルマは、MX-30のEVモデルとは別物の乗り味だが、日常で使いやすい仕様になっている。今後のEV普及に向けて、現時点で「最適解」と言えそうだ。
マツダがついにロータリーエンジンを復活させた。さまざまなメディアが報じているからすでにご存じだろうが、あえてここでも取り上げさせていただく。
そのロータリーエンジンを搭載されたクルマは「マツダ MX-30 ロータリーEV」という。まずは、なぜ車名がロータリーEVなのか、という点に注目してほしい。
クルマの種類としては、外部から充電ができるPHEV(プラグインハイブリッド車)である。それを車名に反映しているクルマは非常に多い。けれどもマツダは、誤解を招くような「EV」という言葉を車名に入れた。それには理由があるはずなのだ。
実際には、EVと聞いて真っ先に想像するBEV(バッテリー式EV)とロータリーEVは違う。ロータリーEVとしたのは、EVにロータリーを搭載したというプロセスがあるからだ。それも従来のロータリーエンジンとはまったく違うと言っていいほど、このクルマに搭載されたロータリーエンジンは革命的なのだ。
まずシングルローターであることが、これまでのマツダの歴史でもなかったことだ。そして1ローター当たりの排気量もこれまでで最大級である。また燃料供給も燃焼室に直接噴射する方式であり、これもロータリーでは初めてのことだ。
ベース技術はあるものの、ハウジングのアルミ合金化や振動低減技術など、かなりの課題をクリアして、ここまでたどり着いたのだから、まずは称賛を送りたい。
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