属人化のワナにご用心 その人しか分からない特別な業務:その作業ムダムダ(1/5 ページ)
その仕事を理解できているのは一人だけになってしませんか。「私にしかわからない特別な業務」とは「属人化の甘い罠」にととらわれているにすぎません。
「私たちの仕事は特別なので……他とは違っていて複雑なので改善は難しいです」
「すべてがイレギュラーなんですよ!」
「この仕事は私にしかわからなくて」
「私がいないと回らないんですよ……」
1つの作業を完了させるだけなのに「実はこのフォルダもあるんですよ」「状況によってはこのフォーマットで作らなければいけないんですよ」と次から次へと新しいアイテムが出てくるのは、業務コンサルに入ると必ず耳にする話です。どれだけ業務手順を聞いても紐解けず何を話しているのかさえ理解できません。
「こんな複雑な仕事はデジタル化できない。関わるのも恐い!」という心境になってしまいます。
結果的に、その仕事を理解できているのは一人だけになってしまいます。「私にしかわからない特別な業務」とは「属人化の甘い罠」にととらわれているにすぎないのです。
属人化にはいろいろなムダが隠れています。まず、その人がいないと仕事が始まりません。なので、辞めたり休んだりした場合に仕事が止まってしまいます。また、他の社員が進捗を把握しづらく関わりづらいため、ミスが起こった場合や進みが遅い場合にもボトルネックを特定しづらくなります。
そして、属人化の一番恐ろしいところは組織のパワーバランスが乱れてしまうことです。
組織の中で情報は力(パワー)になります。
「その人にしかできない」
「その人に聞かなければわからない」
「その人がいないと進められない」
すべての情報を特定の人が掌握している状態……。こうなると管理職や社長でさえ、“その人”のご機嫌を取り始めるようになります。
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