魔法の杖はありません。誤解だらけの「DX」:その作業ムダムダ(1/3 ページ)
「DX」の言葉が市民権を得てどれくらい経ったのでしょうか。会社に導入されると、業務が効率化されるといったイメージがありますが、実態は……。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の言葉が市民権を得てどれくらい経ったのでしょうか。ここ数年でDXプロジェクト、DX事業推進、DX委員会……という肩書きの名刺を何枚も交換してきました。
新しい流れが起こるのはとても素晴らしいことです。
ただ、その本質的な意味を理解せずに思い付きで何となく大変そうな仕事をデジタル化して「わが社もとうとうDXに乗り出した! よく頑張った!」と個別業務をデジタル化するのがDXだと勘違いし、「成果を出したぞ!」と息まいている組織は驚くほど多いです。
ITソリューションを導入することを否定している訳ではありません。ただ、導入しただけでは逆にムダ作業が増えてしまうケースのほうが多いのです。
今まで紙で集めていたアンケートをデジタル化。Wordで作ったアンケートをPDF化してメールに添付。受け取った人は印刷して手書きで回答、それをPDF化してメールで返送。回答が集まってきたら、Excelの集計表に転記。
確かに紙に印刷して郵送する手間は省けましたが、ただそれだけの話です。それどころか、受け取った人に印刷する手間をバトンタッチしたにすぎません。
一歩進んで作ったアンケートをWordのまま添付して、「Wordに回答してもらっているのでDXしてますね!」と言いたい気持ちはわかります。印刷はしていないのでペーパーレスにもつながっています。
それでも、Wordからアンケート内容を集計Excelに転記しているのなら、業務プロセスとして考えるとその作業はムダです。
あえて極端な言い方をさせてもらうと「転記・転載は悪!」なのです。
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