魔法の杖はありません。誤解だらけの「DX」:その作業ムダムダ(2/3 ページ)
「DX」の言葉が市民権を得てどれくらい経ったのでしょうか。会社に導入されると、業務が効率化されるといったイメージがありますが、実態は……。
転記・転載作業は単純に時間がかかります。また、バージョン管理が難しく元の情報がどこにあるかわからなくなりがちです。
特に複数の人で情報転記をしている場合には誰の情報が最新なのか分からなくなるので、それを防ぐために「ファイルのバージョン管理方法はどうするのか? Vol.XX? 日付管理?」など新たなルールを作ったり、お互いにムダな確認作業が発生します。
そして人が手作業で転記・転載する場合、基本的にミスが起こると考えてください。入力内容や場所を間違えるのはもちろんですが、古くなった転載元の情報を引用するようなトラブルも起こります。そして、ミスが起こるとその再発防止対策を考えたり各所に謝罪したりするムダ作業が発生します。
転記・転載をなくすという発想を常に持っているだけでデジタル活用の考え方は変わります。
例えばアンケート作成業務ひとつにしても、データ活用がしやすいようにGoogleアンケートフォームやMicrosoft Formsに代表されるようなオンラインのアンケートツールを使う発想になります。
リアルタイムで更新が可能なGoogleドキュメントやOffice Onlineを使った議事録作成などの業務設計も考えられます。
これもよく見聞きする誤解だらけのDXですが、組織で影響力のある人が、
「この業務が大変すぎる! と言ったから」
「競合他社もこれでうまくいった。と聞いたから」
「展示会で見てきたんだけど凄く良かったから」
のような思い付きで導入されたITソリューションや風土に合わない高性能すぎるシステム。
結果的に「使い方がわからず、結局今までのやり方が1番です!」と言いながら毎月の利用料が払われ続けていたり、現場が使いたい内容が網羅されておらず、システムとは別にExcelでも二重管理しているようなこともあります。
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