まとめ
本コラムでは、仕事上の経験や社会人になってからの学習経験が、幸せに活躍している人の特徴である5つの学び方とどのように関連しているかを見てきた。
その結果明らかになったのは、普段の仕事の中にも、先輩や顧客との関わりといった学びの機会が潜んでいるということだ。特別な研修や思い切った学習が必要なわけではなく、日々の当たり前の仕事こそが、幸せな活躍につながる重要な学びの宝庫なのである。従って、われわれはこれまでも知らず知らずのうちに幸せにつながるプロセスを歩んできたといえる。
幸せな活躍は夢物語ではなく、日々の仕事の中で他者と交流し、学びを積み重ねることで実現できる。ルーティンの仕事から一歩踏み出して新しいアイデアを提案したり、社内外の人と会話を交わすことで気付きを得たりする小さな一歩が、学びの癖や習慣を身につけ、幸せな活躍への道をひらくのである。
本調査での「幸せな活躍」の定義と測定:
「はたらくことを通じて、幸せを感じている」などの7項目を「個人の主観的な幸せ(はたらく幸せ実感)」として測定し、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」などの5項目を個人のジョブ・パフォーマンスとして測定した上で、全体分布の中でともに高い層を「幸せな活躍層」として定義。
砂川和泉
大手市場調査会社にて10年以上にわたり調査・分析業務に従事。定量・定性調査や顧客企業のID付きPOSデータ分析を担当した他、自社内の社員意識調査と社員データの統合分析や働き方改革プロジェクトにも参画。2018年より現職。現在の主な調査・研究領域は、女性の就労、キャリアなど。
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