チラシを配って「お客」はどこから来たのか 「俺のイタリアン 吉祥寺店」の試み:火曜日に「へえ」な話(1/4 ページ)
「俺のイタリアン 吉祥寺店」が店のチラシを配ったところ、集客に効果が出ているそうだ。「紙のチラシ? 古いねえ」と感じられたかもしれないが、地域密着型の店舗にはそれなりの効果があるようで……。
また、家のポストにチラシが入っていたよ。ゴミ箱にポイだな――。
こうした人も多いだろうが、デジタル広告が広がっている中、チラシのポスティングを使って客数を伸ばしている店がある。飲食チェーンの「俺のイタリアン 吉祥寺店」(東京都武蔵野市)だ。
運営しているのは、俺の株式会社(東京都中央区)。2011年9月、新橋に「俺のイタリアン」をオープンして以来、「俺の〇〇」を続々とオープンさせ、行列ができる店として話題を集めた。「『俺の〇〇』といえば、立って食べるところだよね。銀座とか新橋とか繁華街に店が多いイメージがあるけれど、吉祥寺のような住宅街にもあるのね」などと思われたかもしれない。
吉祥寺といえば、住みたい街ランキングで毎年のように上位にランクインする人気エリア。駅の近くに商業施設や飲食店がひしめきあっていたり、井の頭公園があって自然が豊富であったり、ターミナル駅なので交通の便がよかったり。
そんな環境が整っているので「ココに住みたい」という人が多いわけだが、都内の繁華街のようなにぎやかさはない。吉祥寺店も駅から徒歩5〜6分のところにあって、そこからちょっと歩くと家がたくさん並んでいる。
店がオープンしたのは、22年11月のこと。「今後のことを考えたときに、郊外にも店を出したほうがいいよね」ということで、住宅街に出店した。
それにしても、なぜチラシを配ることにしたのか。店がオープンした当初、ご祝儀相場もあって好調に推移したという。しかし、商圏が狭いということもあって、初めての客が“一周”するのは想定よりも速かった。「なんとか手を打たなければいけない」ということで、吉祥寺店はランチを始めることにしたのだ(それまではディナーのみ)。
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