「3.141592653589……」円周率のハンコが話題に “違和感”なく見えるワザを聞いた:「次の駅まで」に読めるハナシ(1/2 ページ)
円周率のハンコがSNSで話題になっている。1円玉よりも小さい直径12ミリの印章の中に、160ケタの数字が並んでいるのだ。肉眼で数字が見えないほどのハンコは、どうやってつくったのか……。
3.141592653589……。
1円玉よりも小さい直径12ミリの印章の中に、「3.14……」と160ケタの数字が並んでいるハンコがある。その名は「円周率の印鑑」(1万6500円)。島根県にある印鑑の製造・販売を手掛ける「永江印祥堂」が2023年12月につくったところ、X(旧Twitter)で話題を集めているのだ。
同社が円周率のハンコの写真を掲載したところ、7.3万件を超える「いいね」がついた。コメントを見ると「この割り切れない気持ち……」「技術がスゴい!」「素数のハンコもつくってください! ぜひ!」といった言葉が並んでいるが、なぜこのようなモノをつくったのか。
同社は「バズリのハンコ屋」とも呼ばれていて、これまでにも変わった印鑑をたくさん世に出してきた。例えば、印章に108字を彫った「寿限無さん専用印鑑」をつくったり、文字がたくさん詰まったハンコを販売したり。
このほかにも「なにこれ? その発想はなかったわ〜」と感じられるモノをつくってきたわけだが、円周率に着目したエピソードは数年前にさかのぼる。たくさんの文字を詰め込んだ印鑑を販売したところ、消費者からさまざまな声が届いた。「こんなハンコをつくってよ」「あんなハンコはどうかな」と。そんな中で「さすがに円周率が書かれたモノは無理でしょ」といったコメントも。
その言葉を目にした職人さんは、どのような気持ちになったのか。答え=ハートに火がついた。開発に携わった村尾直樹さんは「『やってやろう』という気持ちになりまして。2人で、4日ほどの時間をかけて完成させました」と振り返る。
肉眼では見えないほどの数字が並んでいる印鑑をどのようにしてつくったのか。1本のハンコをつくるのに手彫りで……といった世界ではなく、PCでデザインを設定して、機械がそのまま彫ってくれるというもの。
この話を聞くと「なーんだ。オレでもできそうじゃんか」などと思われたかもしれないが、生易しい世界ではない。文字がつぶれないように配置や線の太さを調整する必要があって、その腕前によって完成度が大きく左右されるのだ。
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