『アイドルマスター ミリオンライブ!』プロデューサー・わかちこPが明かす女性管理職の働き方:仕事と育児を両立する「覚悟」(2/2 ページ)
『アイドルマスター ミリオンライブ!』のプロデューサーであるわかちこPこと狭間和歌子さんに自身の仕事観を聞くと、仕事と育児を両立するための“覚悟”が見えてきた。
「わかちこP」と呼ばれる理由 プロデューサー観は?
――ところで、なぜ「わかちこP」と呼ばれているのでしょうか。
これは、大学の友人に「わかちこ」と呼ばれていたのが始まりです。そのあだ名をLINEのアカウント名にしていたのですが、LINEで『アイマス』の声優さんと連絡することもありました。私と同じ大学の先輩である如月千早役の声優・今井麻美さんともLINEでやりとりをする機会があったのですが、ある日の生配信中に、今井さんが「わかちこ」と私のことを呼んだんですね。それがきっかけで「わかちこ」という呼び名が『アイマス』ファンの間で定着しました。
――今井さんとは大学の頃から面識があったのでしょうか。
面識はなく、後から実は同じ大学だと知った感じです。私が家庭用ゲームの営業を担当していた時に、生配信や東京ゲームショウのステージで今井さんを拝見していて、歌や演技はもちろん、トーク力が素晴らしく大ファンになりました。
その後、『ミリシタ』のリリースに伴い今井さんとやりとりする機会があり、そこから仲良くさせていただいています。
――わかちこPさんは普段プロデューサーとして、どんなチーム作りを心掛けていますか。
『ミリオンライブ!』の場合、アニメやゲーム、マーケティングやプロモーションなどさまざまなチームが存在し、連携しながらブランド展開をしています。その中で上司として意思決定やアドバイスを求められるときには、最終的に答えはプロデューサーの皆さんが持っているということを忘れず、その点をみんなが「前提」として意識できるように心掛けています。
私たちの最終的なゴールは、プロデューサーの皆さんを喜ばせることです。その喜んでくれる本当の正解は、プロデューサーの皆さんしか分からない。だからこそ「プロデューサーさんの気持ちを考えぬく」ことを、チームみんなが意識してくれていると思います。そのためにもSNSやライブ、イベント会場など、プロデューサーの皆さんを知る機会や接点を多く持つことを大切にしています。
――プロデューサーとして仕事をする上で、大切にしている考えは何ですか。
仕事に限らずですが、母から教えられた言葉で「気遣いは、気を遣わせないように。感謝は、伝わるように示す」があります。
仕事をしていると、忙しくて、余裕がない時ほど伝える(自分)側の都合を優先し、受け止める(相手)側の気持ちを後回しにして行動してしまうことがあります。そうならないように、相手の気持ちを大切にして、感謝はちゃんと伝わるように、気遣いは相手に気を遣わせない形で行動できるようにしたいと心掛けています。
これは仕事でも日常でも自分の鉄則にしているのですが、恥ずかしながら努力と反省の毎日です。
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