JRの「EXサービス」と「えきねっと」 どこで“差”が付いたのか:経済の「雑学」(2/4 ページ)
同じJRグループのサービスでも、「使いやすい」といわれる「EXサービス」と、「使いにくい」と言われ続ける「えきねっと」。その差はどこにあるのか……。
「使いやすい」と言われる「EXサービス」
JR東海などが提供する「EXサービス」は、その使いやすさから多くの人の支持を得ている。新幹線の予約に特化しており、チケットレスで大半のことができる点が大きい。
紙のきっぷの場合、運賃・特急料金の表示が分かりにくかったが、シンプルに「運賃」として表示されるようになっている。鉄道の運賃・料金の制度で理解しにくいところをあらかじめ処理した上で、鉄道利用者に分かりやすいサービスを提供しているのだ。
さらにすごいのは「EXアプリ」である。予約変更などが手元ででき、遅延などが発生した場合はプッシュ通知で知らせ、アプリ自体の操作性も高い。東海道・山陽・九州新幹線の予約に特化したことで、ここまで使いやすい予約サービスを作り上げている。
では在来線はどうなのか。JR西日本や四国では「e5489」、JR九州でも独自の予約サービスを設けて対応している。「e5489」とチケットレスサービスを組み合わせた在来線特急の指定席を確保するサービスもある。
例えば、交通系ICカードとネット予約を利用して指定席を確保し、それをきっぷ代わりとして岡山から出雲市、あるいは大阪から金沢といった区間の乗車も可能になる。JR西日本では交通系ICカードが「エリアまたぎ」でもケースによっては利用できるように自動改札機を対応し、チケットレス化を促進してきた。このことは「EXサービス」の使いやすさとは関係がないものの、チケットレスの活用法として知っておきたいことである。
またJR東海では、在来線特急の停車駅にはなるべく「きっぷうりば」(JRの「みどりの窓口」に相当)を設置し、自由席も残している。普通の券売機や車内精算でも対応できるようにしている。
JR東海の在来線特急はそれほど混雑しないため、こういった対応も可能なのだ。「EXサービス」は新幹線に特化し、在来線は在来線で使いやすくすることで、利用者から不満が出にくい体制を整えている。
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