27万円の「お菓子の城」が即日完売 明治が“子どもの頃の夢”を商品化したワケ:「次の駅まで」に読めるハナシ(2/2 ページ)
子どもの頃に憧れた「お菓子の城」を形にできる商品がある。明治が1月16日に発売した「明治 子どものころ夢に見た、お菓子でつくる大きな大きなお城キット」だ。商品化の経緯を、同社グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部の杉山詩織さんに聞いた。
コロナ禍で落ち込んだ手づくりバレンタイン
お菓子の城の構想、製作、監修を担当したのは、パティシエの小清水圭太氏。小清水氏が趣味の一貫で、さまざまな市販のお菓子を使って城を作成。それをSNSに投稿したところ、数十万の「いいね」を集めた。それを目にした明治は、23年の3月頃に「バレンタインに何か面白いことを一緒にやりたい」とコラボを持ち掛けた。
コロナ禍でのバレンタインは、感染防止の観点からお菓子づくりを自粛する動きが多く見られたという。アフターコロナの今年は「『みんなで集まって楽しく手づくりできるようなお菓子のコンテンツを作りたい』『バレンタインというハレの日や手づくりシーンを盛り上げたい』という思いがありました」(杉山さん)
こうした思いを実現するには、どのような商品にすればいいのか。検討を重ね、小清水氏がつくったようなお菓子の城に挑戦できるものにした。明治の公式YouTubeチャンネルで公開されたインタビューで、小清水氏は「すでにあるお菓子の形を生かしたデザインを考えるのが楽しかった一方、これほど大きなサイズを埋める設計を考案するのが難しかった」と振り返っている。
なお、小清水氏は「たけのこの里」派とのこと。今回のお菓子の城でもたけのこの里をふんだんに使用しているほか、さりげなく「きのこの山」が閉じ込められている場所があるという。
今回の反響を受けて、来年のバレンタインはどうするのかを聞いてみた。「具体的な方針は未定ですが、来年も『手づくりチョコレートって楽しそう』と感じてもらえるような話題を紹介していきたいですね」(杉山さん)
ちなみに「ここまで大きいお菓子の城はちょっと……」と尻込みしまう人向けに、手軽に作成可能な「明治 お菓子の家キット」(2612円)も発売中だ。150×200ミリメートルの専用台紙の上に、板チョコレートで家を組み立て、マーブルチョコレートやアポロで飾り付ける。こちらの売れ行きも好調に推移しているという。「数量限定なので無くなり次第終売となりますが、春頃までの販売を想定しています」(杉山さん)
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