移動時間は無駄か
具体例として、以下のようなタスクの自動化が既に実現しており、これからAI技術の導入が進めば、その活用範囲はさらに広がっていくと考えられます。
日常的な単純作業の自動化
(例)顧客毎の状況に応じたフォローアップ
商談前のリマインドメール、顧客への資料送付、御礼メールをはじめとするフォローアップは、数回に及ぶことが多いタスクであり、担当者ごとにばらつき・抜け漏れが発生しがちな業務です。企業と顧客との間で発生する特定のインタラクション(顧客からのメールの返信、商談実施、資料ダウンロードなど)の発生をフックに一連のコミュニケーションが自動化されるように設定することで、これまで手動で行っていた単純作業を機械が正確に実行します。
営業アクションの優先順位付け
(例)見込み客群からホットリードを自動検出
過去成約した案件に関する大量の記録データをもとに、見込み客のWebサイトの訪問回数や営業担当が電話でのヒアリングで確認した合意事項など複数の顧客データを照合し、アプローチすべき顧客を特定します。
LTVを高めるためのファクトデータに基づく示唆の提示
(例)過去データの照合による受注確率・リスクの算出
過去の取引データや顧客行動から、取引が進む案件の受注確率やリスクに関する洞察を提供します。購買プロセスにおけるどの要素(価格、顧客の課題感、競合など)がリスクとなりうるかを特定することで、営業担当は先回りして対策を練ることができます。
これらの機能の一部は、米国企業のOutreachの “Sales Execution Intelligence”、Gongの “Gong Assist”のほか、国内では当社が提供する Magic Moment Playbookにおいても、サービス提供が進んでいます。
優先的に当たるべき顧客が分かれば、タイミングよくアプローチをかけることで商談化率や成約率を高められます。また、営業担当の活動効率の改善にもつながるため、外回り営業・ルート営業の移動時間を無駄と判断し、削減する企業が出てくることが見込まれます。
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