社員がお客さまに常に価値を提供し、再現性をもって安定的に収益を上げる状態を仕組み化、構造化できると、会社は「この人の給与をアップしても大丈夫だ」と考えます。中小企業や中堅企業で、具体的な昇級制度がない会社だったとしても、そうした社員は社長が捨て置かないため、自動的に給与アップへとつながるでしょう。
大企業の場合は、社員の成果をきちんと評価制度に乗せて、段階を踏んで緻密に精査することが求められますが、中小企業であれば、その成果を数字で「見える化」し、「彼のおかげで営業部の生産性がこんなに上がったんです」と社長にアピールすればよいでしょう。そうすれば、「ああ、そうか。すぐに彼の給与をアップしてあげてよ」と、社長の鶴の一声でスピーディーに昇給できる可能性があります。
同じ時間で、より高い付加価値を生み出す仕組みをつくれば給与は増えます。仕組み化された仕事は、仕組み化前よりも時間がかからなくなるので、さらに多くの仕事ができるようになります。
さらに仕組み化された仕事が増えるほど、2倍、3倍、4倍と仕事ができるようになっていきます。個人がほとんどの仕事を仕組み化できる状態になれば、「あの人ってすごい仕事できるよね」と言われ、その状態になれば、月給が高くなるのは当たり前です。
さらに、仕事を仕組み化することで、自動化やアウトソーシングも可能になります。すべての作業はできる限り「仕組み化(システム化)」していくことが重要です。仕組み化して、誰でもできる状態になったものが「作業」です。その作業を自動化、アウトソーシングするのです。
ここで注意すべきは、業務をしっかりと仕組み化(システム化)してからアウトソーシングすることです。アウトソーシングしてもうまくいかない会社は、「まだ仕組み化されていない仕事」を外部の人に依頼してしまいます。
すると、アウトソーシング先からの質問や問い合わせへの対応、ディレクションなど、想定していなかった新しい仕事(管理業務)をつくってしまうのです。そうなると、効率化のためにアウトソーシングした意味がなくなってしまい本末転倒です。
逆に、仕組み化された仕事を「作業」としてアウトソーシングすると、その結果生まれた新しい時間で、さらに新たな仕組み化を次々と積み重ねていくことが可能です。
例えば、ある仕事をこなすのに10時間かかるとして、その仕事を仕組み化して、1時間で終わらせる状態にすれば、余った9時間を使って別の仕事ができるようになります。次に、その9時間かかる仕事をまた仕組み化して、余った時間で別の新しい仕事をする、と繰り返していけば、どんどん生産性が上がり、高付加価値を生み出す組織になっていきます。
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