“お祈り”された企業を「嫌いになった」、就活生の8割 人事はどうすべき?
志望度の高い企業から不採用通知を受け取った後「その企業を嫌いになった」とした就活生は8割に上った──。そのような結果がABABAによる調査で明らかとなった。
志望度の高い企業から不採用通知を受け取った後「その企業を嫌いになった」とした就活生は8割に上った──。そのような結果がABABA(大阪府吹田市)による調査で明らかとなった。学生は、商品やサービスを購買する顧客であったり、将来ビジネス相手になったりする可能性が少なからずある。そんな中、好感度を維持し続けるために企業がやるべきこととは。
企業はどう対応すべきか
就活生の89%が志望度の高い会社を受けて不採用になった経験が「ある」とした。売り手市場が続いていると言われるが、就職活動において多くの学生が不採用の壁にぶつかる経験をしている。
志望度の高い企業から不採用通知を受け取った後、「その企業を嫌いになった」とした人は85%を占めた。回答した人からは「落ちたことがショックすぎて、嫌いになるしかない」といったコメントが見られた。
不採用通知をきっかけに「その企業を嫌いになった」と回答した人のうち、「その企業の製品やサービスを今後使わない」とした人は43%に上った。また、23%が「その企業の製品やサービスを周りにおすすめしない」と回答。企業に対するネガティブな感情が半数以上を占める結果となった。
選考で不採用になった経験のある人のうち97%が、不採用通知の連絡をメールで受け取ったとした。また、志望度の高い企業から届いた不採用通知に対して「形式的で冷たい印象を受けた」という回答は83%に上った。
「冷たい」と感じたと回答した人からは「長期間待たされた挙げ句、形式的なメールで不採用を伝えられて腹が立った」「メールに名前の記載がなく、一斉配信されたものだと思うと悲しかった」といったコメントが寄せられた。
一方で、不採用通知の連絡で「温かさ」を感じたとした人からは、「落ちたのは残念だが、人事が個別に応援メッセージをくれて励ましてくれた」「メールの中に、いつか一緒に働きたいという一文を見つけて感動した」などの回答が見られた。
同社は「形式的なテンプレートを使った不採用通知の連絡は企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があり、その印象は長期にわたりマイナスに作用する可能性がある」「就活生の気持ちに真摯に向き合い、気持ちに配慮したメッセージを送ることができるかどうかが、その後の企業の信頼感や好感度を高めることにつながる」とコメントした。
調査は1月31日〜2月9日にインターネットで実施。同社の運営するダイレクトリクルーティングサービス「ABABA」に登録している2024年卒業予定の就活生300人から回答を得た。
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