インタビュー
100万本以上売れた極細ボールペン「サラサナノ」 ヒットの要因は?:“ガリガリ感”を解消(1/3 ページ)
累計販売本数100万本を突破しているゼブラの極細ボールペン「サラサナノ」。これまでのボールペンとは何が異なるのか。開発の背景やヒットの要因は――。
ゼブラ(東京都新宿区)が販売する極細ジェルボールペン「サラサナノ」がヒットしている。発売初年度に100万本売れればヒット商品といわれる筆記具市場で、発売から約10カ月で累計販売本数100万本を突破。24年3月18日には「サラサナノ 0.38」からビンテージカラー全5色の発売も開始した。
開発の背景やヒットの要因を、同社プロダクト&マーケティング部の小野陽祐氏に聞いた。
なぜ極細タイプのペンが人気に?
同社は「ブレン」「シャーボ」「デルガード」など、多くのヒット商品を世に出してきたが、なぜ“極細”のボールペンに着目したのだろうか。小野氏によると、近年は手帳の小型化などもあり、限られたスペースでも文字が書きやすい極細ボールペンの人気が高まっているという。
実際に同社主力のジェルボールペン「サラサクリップ」でも、極細に分類される0.3〜0.4ミリのボール径が売り上げの約3割を占めている。
一方で、極細ペンならではの課題として挙がっていたのが、筆記時に“ガリガリ”した感覚がする「違和感」だった。手帳などに小さい文字を書こうと思った際、小さいペン先に筆圧が集中することで、紙にペン先がめり込んでしまうことがあるのだ。
「0.5ミリのボール径などで書類に大きな文字を書くときにはよくても、0.3〜0.4ミリのボール径で手帳に小さい文字を書くときに違和感が出てしまう。また、『インクが安定して出にくい』といった声もあった」
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