コラム
「足のサイズが左右で違う」人はそこそこいるのに、なぜ“シュー店”はなかったのか:火曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)
左右別サイズの靴を扱っているECサイトが登場した。サービスを提供しているのは「DIFF.」。ありそうでなかったサービスは、どのような特徴があるのか。
起業した理由
冒頭でDIFF.はECサイトで靴を販売しているといった話をしたが、実は実験的に神戸市のシューズ店と連携して、左右別のモノを販売している。
商売を続けていくと、偏りが生じるかもしれない。となると在庫があふれてしまうが、余った靴をDIFF.が買い取る。逆に、足りない靴は売るといった仕組みで、ビジネスを回している。この実験がうまくいって、連携する店がどんどん増えていけば、在庫を抱えるリスクが減少するといった計算のようだ。
ちょっと話は変わるが、清水さんは12年にミズノに入社している。ミズノでサッカーシューズを開発していると、「左右違うサイズのモノを売ってほしい」といった声が多く、同社の水野明人社長に直談判。出向起業制度を活用して、ミズノに所属したまま起業……といった流れで、いまがある。
この話を聞くと「ミズノに在籍したまま事業を立ち上げてもよかったのでは?」という疑問がわく。なぜ起業したのかというと、会社の新規事業として始めても、すぐに壁にぶち当たる未来が予想できたから。DIFF.のサイトを見ると、ミズノ以外にアシックス、ナイキ、アディダスのブランドが並ぶ。しかし新規事業として始めると、ミズノの商品しか扱えない。
ライバルメーカーの売れ筋を販売できないとなると、先ほど紹介したように在庫リスクが高まってしまう。というわけで、外に出て商売を始めるしかなかったのである。
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