メルカリが“置き配”シフト サイズ問わず一律料金のサービスを始める背景:エコメルカリ便(1/2 ページ)
フリマアプリ大手のメルカリが新しい配送サービス「エコメルカリ便」を発表した。サービスの特徴は……。
フリマアプリ大手のメルカリは3月28日、新しい配送サービス「エコメルカリ便」を発表した。宅配便の60〜100サイズまでを一律730円とし、三菱商事が展開する非対面発送サービス「スマリ」のボックスを利用することで、置き配と非対面での受け取りが可能となる。メルカリの既存の配送サービス「ゆうゆうメルカリ便」「らくらくメルカリ便」も置き配を初期設定とし、再配達削減を進める方針だ。
メルカリの山本真人CEOは「現在、年間で50億個に上る宅配便が日本全国に届けられている。そのうち、5〜10%ほどがメルカリの荷物が占めている」と述べ、同社が物流に与える影響の大きさを示した。さらに「コンビニからの発送に至っては、およそ8割とメルカリの発送が大部分を占めている」とし、物流業界におけるサステナブルな発展・成長にメルカリが寄与する必要性を訴えた。
メルカリがこの新サービスを立ち上げた背景には、利用者の抱える課題への解決もある。同社が行ったアンケートによると、出品時の面倒な作業として「送料を抑えるために梱包サイズを小さく工夫すること」(58.1%)、「送料を考慮して販売価格を決めること」(52.6%)などが上位に挙がった。エコメルカリ便は、100サイズまでなら一律料金のため、利用者はサイズを気にせず簡単に発送できる。
また、物流業界が直面する課題解決の一助にもなりそうだ。再配達は、配達員の労働時間増加やCO2排出量増加などさまざまな問題につながる。エコメルカリ便の配送を担当するSBS即配サポートの前田光治執行役員は「全ての商品を置き配とすることで、複数回の配達がなくなり効率的な配達が実現され、労働力が最適化される」と指摘する。
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