“見せつける”ようなデザインが避けられてる? 家電やファッションで進む「ロゴなし化」 シャープ、アップル、ユニクロの特徴(5/5 ページ)
家電やファッションで「ロゴなし」が進んでいる。背景には「クワイエット・ラグジュアリー=静かなぜいたく」と呼ばれるトレンドがあるという。
高級品でも「ロゴなし」が進む可能性
ロゴなし家電やファッションの背景にある、クワイエット・ラグジュアリーというトレンドには、消費者がシンプルなデザイン性を好み、機能性を重視するようになったことが影響していると考えられる。もちろんロゴ付きのハイブランドを好む層もまだ多いが、無印良品が一定の人気を誇るように「シンプル重視」の下地は近年の消費者の間でできていた。
そして、ロゴがないデザインがむしろブランドとなっているのではないかと考えられる。主観的な意見だが、筆者もロゴなし商品を好む消費者の一人であり、有名ブランドのロゴがあるよりもない方が高級感を感じる。
機能性については、冒頭の日経記事でも引用していたように、消費者が最も強く求めるものである。21年の消費者庁による調査結果では、商品・サービスを購入する際に重視するものとして「品質・性能」が1位となっている。何かと耳にすることの多い「費用対効果(コストパフォーマンス)」は3位につけている。
一方で「見た目・デザイン」は4位、「有名ブランド・メーカー」は9位と、機能性よりも優先度が低い。クワイエット・ラグジュアリーの火付け役はSNSやメディアとはいえ、こうしたシンプルさと機能性を求める消費者の志向は間違いなく下地にあるといえるだろう。車や時計、財布などの高級品は依然ブランド志向が強いものの、将来的にロゴなし化が進むかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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