はっきり言おう 「カフェ」の運営は難しい:「ワイヤードカフェ原宿」からスタート(3/4 ページ)
カフェを運営するにあたって、どういったことが必要になってくるのか。飲食業をやるつもりではダメで……。
少しハードルを上げてしまいましたが、カフェは次世代の飲食業を担う業態になると確信しています。
高度経済成長や円高の恩恵で、今の飲食業界は非常に発展しています。
例えば、欧州で修行したシェフが帰国してつくったレストランがミシュランで星をもらうこともあれば、あらゆる国のエスニック料理や、オーガニック料理もあります。
しかしその一方で、小さな食堂は淘汰され、チェーン店が増えてきました。そういったお店は安く、味も一応はおいしいと思います。
でも、メニューは画一的で、レシピはひとつきりしかありません。昔あった食堂のようなお店は、生姜焼きならそれぞれお店によっていろんなレシピでそれぞれのおいしさがあったのです。
高度経済成長、バブルを経て、近頃の日本では低成長が前提となって画一的な価値観が変わってきました。すると、次に求められるのは、多様性なのです。
実際に、ボランティアをしたい、いらないものを捨ててシンプルに暮らしたい、自然の中で生活したいなど、人びとの価値観は多様化しています。しかしそれにもかかわらず、チェーン店をはじめとした飲食業は、画一化してしまっていると思うのです。
僕から見ると飲食出身の人はどうしても自分がつくりたいものが先行してしまうので、地域のニーズを捉えていないことがあります。逆に料理にこだわりがなく、単に格好いいものを出したいだけの人も、うまくいきません。カフェは参入しやすいゆえに、出店しても自己満足で終わり、潰れてしまうお店が多いのです。
カフェは自由度が高いので、お金をかけないでできる業態です。洒落たインテリアにするだけではなく、知恵を出していい空間を演出してください。
今は地域の銀行や信用金庫で事業計画を話せば、お金を貸してくれる時代です。逆にいえば、高い志を持っていさえすれば、知恵しだいで成功する店をつくれる時代でもあるのです。
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