洋服サブスク「エアクロ」が、大きな物流拠点を構えた理由:会員は100万人(3/5 ページ)
100万人の会員がいる女性向けの月額制ファッションレンタルサービス「エアークローゼット」。事業を提供するエアークローゼット社は、循環型物流プラットフォームをリリース。レンタルを前提とした物流サービスで、「配送・返送・メンテナンス・在庫管理」を一気通貫で他社に提供するという。事業拡大の狙いを取材した。
事業成長に「循環型物流」が不可欠だった
そもそも、なぜエアークローゼット社は一から物流機能を開発したのか。創業当初、たくさんの倉庫会社に物流の受託を断られたためだという。
「断られた理由は、『個品管理ができるシステムがない』『拡張性の要望に応えられない』『業務オペレーションが返却を前提としていない』の3つでした」
ようやく見つけたのが、宅配型トランクルーム・収納サービス「minikura(ミニクラ) 」を提供する寺田倉庫。ミニクラは、顧客が送付した荷物を開けて一点一点撮影し、保管アイテムの可視化ができるのが特徴だ。
「お客さまからの送付物を開封して中身を撮影するというオペレーションはエアークローゼットと類似性があり、協業できるのではないかと相談し、契約にいたりました。当社のシステムと先方のシステムを連携させ、少しずつ現在の仕組みに近づけていきました」
17年にはヤマト運輸とAPIによるシステム連携を実施。これにより、エアークローゼットのアプリ内で顧客に返送用のIDを付与して、QRコードによる効率的な返送が可能になった。
19年には国内で先進的だった洗濯可能なRFIDを導入し、商品管理の効率が向上した。21年には他社への横展開も可能な倉庫管理システム「エアークローゼット・ブリッジ」の運用も開始した。
このように段階を追って物流機能を強化することで、1配送当たりのオペレーションコストを18年時点から約3割下げることに成功。同社の事業成長を支えたのが、循環型の物流基盤だったのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
身長155センチ以下! 小柄女性向けのブランドが、「月商1億円」になった秘密
小柄女性向けのブランド「COHINA」をご存じだろうか。2018年に創業し、その後、順調に売り上げを伸ばしているのだ。その要因として、何があるのか。毎日続けていることがあって……。
女子高生に流行った「ルーズソックス」が戻ってきた! 再ブームの背景は?
1990年代後半に一大ブームとなった「ルーズソックス」だが、2021年頃に到来した「平成レトロブーム」を機に再び注目されている。20数年を経てルーズソックスは、どのように変化したのか。

