調査リポート
「経営者」はM&Aをどう考える? 単に後継者不足が理由ではない(2/2 ページ)
NEWOLD CAPITALは、会社を売却する意向のある経営者および自営業者を対象に「会社売却(M&A)に関する意識調査」を実施した。
M&Aを進める上で難しいと感じる点は?
M&Aを進める上で難しいと感じる点を尋ねた。1位は「M&Aが正しい選択か分からない」(43.5%)、2位は「希望株価で譲渡できるか不安」(33.3%)、3位は「譲渡できるのか不安」(29.8%)、4位は「買い手がいるのか不安」(29.4%)だった。
M&Aに対するイメージは良い傾向があるものの、実際に進める上では多くの不安があることがうかがえた。
M&Aに関する情報収集経路は?
M&Aに関する情報収集経路については、1位が「顧問会計士(税理士)」(47.1%)、2位は「経営者仲間」(37.3%)、3位は「銀行」(36.9%)、4位は「M&A仲介、コンサルティング会社」(31.0%)という声が聞かれた。
NEWOLD CAPITALは「中小企業庁の試算によると、2025年までに70歳を超える中小企業経営者は245万人に達し、そのうち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定である。この現状を放置すると、中小企業・小規模事業者廃業の急増で、25年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があると言われている」とコメントしている。
今回の調査は、売上高1億円以上の会社経営者・自営業(社長)を対象に、インターネットで行った。期間は23年12月19〜22日、有効回答数は255人(会社売却の意向のある会社経営者および自営業者を抽出)。
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