ぎょぎょ、水の量が多すぎる? 札幌の水族館「AOAO」で“脇役”が主役になった舞台裏:週末に「へえ」な話(4/5 ページ)
札幌にできた水族館がちょっと話題になっている。施設名は「AOAO SAPPORO」。特徴は大きなサメもいなければ、イルカもいなければ、エイもいない。いわゆる“主役”がいない中で、どのように運営しているのか。
課題が見えてきた
AOAOを10カ月ほど運営してみて、課題も見えてきたという。「来館者の数」だ。
冒頭で「この1年で85万〜90万人ほどを見込んでいる」といった話を紹介したが、当初の計画より1〜2割ほど少ない。「なんだやっぱり脇役だと、集客が苦戦しているじゃないか」と思われたかもしれないが、来館者が少ない要因は2つある。
1つは、子どもの数だ。山内さんは「水族館=子ども」と考えていて、特に手を打たなくても、たくさんの子どもがやって来ると思っていた。しかし、AOAOがある場所は繁華街&オフィス街である。子どもの数は少ないので、「こちらからPRしなければ集客が難しいことが分かってきた」(山内さん)
もう1つは、外国人観光客の数だ。「北海道=インバウンドが好調」といったイメージがあるが、どこもかしこも盛況というわけではない。「存在を知ってもらわないと、『行ってみたい』という人が増えないのではないか」と考え、数カ月前からPRにチカラを入れている。効果は徐々に出ているようで、今後に期待といったところだ。
来館者の数は見込みよりも少ないものの、悪い話ばかりではない。客単価は想定を上回っているようだ。背景には、物販と飲食の好調さがうかがえる。6階に「シロクマベーカリー&」というお店があって、そこでパンやコーヒーのほかに、アルコールも提供している。
ここでパンを買って、近くのベンチに座る。そして、ペンギンをじっくり見る――。こうした人が多く、中でも看板メニューのクロワッサンの売れ行きは好調のようだ。聞いたところ、月に1万個ペースで売れているとのこと。
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