AOKIの1着8万円「金のスーツ」が好調 「計画比135%」も売れたワケ:高級スーツが人気(2/4 ページ)
紳士服のAOKIが2023年10月に発売した「金のスーツ」の売れ行きが好調だ。スーツの特徴は……。
高価格帯スーツを販売するAOKIの狙い
AOKIは、2023年に65周年を迎えたことを記念して「金のスーツ」を発売した。当初の計画比で135%と、好調な売れ行きを維持する背景にはスーツの販売環境が変化していることも大きいと、栗林氏は指摘する。
「地方を中心に、10万円を超えるような高価格帯スーツの売り場が減少傾向にある。一方で、高級感のあるスーツを着用したいというニーズも一定数存在している。需要と供給にギャップが生まれているタイミングで登場した『金のスーツ』が支持されたのではないか」
実際に、高価格帯のスーツを買える場所が近隣になくて困っていたという顧客からの購入も多いという。
高価格帯のスーツを望む声がある中、業界ではパターンオーダースーツの売り上げも伸びている。AOKIもパターンオーダーのサービスを展開しているが、既製品の高価格帯にこだわったのはなぜか。
「オーダースーツ市場は確かに伸びているものの、完成に3週間〜1カ月程度を要してしまう。仕立てのいいスーツがすぐに欲しいのに、売り場が減ってしまい困っている消費者のニーズに応えたかった」
高級スーツ需要の伸びと店舗数の減少。AOKIは、現場のギャップを埋めることに成功した。
「金のスーツ」を購入する層は、スーツを着用する機会が多く、要職に就くことの多い40〜50代が中心だという。
そのほか、2023年10月発売以降、好調を維持し続けている背景には、年末年始のあいさつ回りや、年度末の式典など、季節ニーズにもうまく合致したことも挙げられる。さらに、「金のスーツ」という商品名も高級スーツ需要の獲得に寄与したと栗林氏は語る。「金」という表現には、「高級感」「上質感」を連想させる狙いがあったという。
関連記事
- 「男性用のレース下着」なぜ人気なのか ワコールが販売して分かったこと
ワコールの男性下着ブランド「ワコールメン」から発売された「レースボクサー」の勢いが止まらない。なぜ多くの男性から支持を得ているのか。 - 非売品なのになぜ? サントリーが「社内専用ジャンパー」にこだわる理由
プレモルに金麦といった、主力商品で制作する非売品のジャンパーに、サントリーが情熱を見せています。最近ではファッションブランドとコラボするほどの力の入れようです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.