ファミマ「生成AIで業務を50%削減」の事例も 企業が活用するためのポイントとは?(2/3 ページ)
コンビニ大手のファミリーマートが、生成AIの活用で一部業務を大幅に削減できる見込みが立ったと発表した。一方で多くの企業ではまだまだ生成AIの活用は進んでいない。どのような点がポイントになるのか、識者が解説する。
4つの変革をどう実行するか
(1)と(4)は、社内で内製化作業をしたものの社員の業務負荷が高まってしまったり、ノウハウが不足して品質に課題を抱えたりするケースがあります。単に業務を早くこなすだけでは不十分で、品質と両立することが重要です。とはいえ品質のために外注すると、金銭的なコストや、修正をするたびにメールや打ち合わせの工数が増えるという状況が発生します。業務の効率化と高度化、生成AIはこの2つの課題に貢献するポテンシャルを秘めています。
例えば、世界一の小売企業であるウォルマートはいち早く生成AIを取り入れています。ChatGPTをチャット型ECに活用し、アレルギーを加味したコメントやダイエットなど、その人の課題に応じてパーソナライズ化したレコメンドを展開しています。
先ほど(3)としてあがったサプライチェーンにおけるリスクの特定、需要予測は実現できると大きな成果を及ぼします。しかし、そのためには定義の設計という課題にあたります。
特に「どのような状態をリスクありと定義するのか」「どのような数値と数値が合わさると、異常が起きるのかというルール化」といったことが、大変重要な議題です。
需要予測についても同様です。対象となるデータは何なのか。天候・気温・人口・人流・過去の売り上げ・店前通行量・競合など、数ある中でどのデータを対象とするかをまず選定することが必要となります。
そして、その後に複数のデータに応じて、強化する商品や縮小する商品を定義。「各在庫をn%増やした方が良い」という結論をどう導くか、といった方程式を決める必要が生じるのです。その際には、生成AIだけでなく機械学習機能を付加することも必要ですし、データ統合を的確に行うプロジェクトマネジメント力も求められます。
生成AIによるコンテンツ作成時の注意点
広告のコンテンツ生成においては、ただ画像を作れば良いのではなく、集客や売り上げに貢献することを考える必要があるでしょう。どのような広告が過去に反響が大きかったのか、事例やデータと掛け合わせてコンテンツ生成を検討しなくては、結局人が考えた方が良いということにもなりかねません。
コンテンツ生成という作業面では、生成AIは貢献しやすいかもしれません。しかし、既存業務が削減できても効果が落ちてしまっては本末転倒です。また、コンテンツは人の勘や経験が成否を分けることもあるため、一概に生成AIのアウトプットを信用し過ぎず、人の感性との融合を図ることも大切でしょう。
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