ファミマ「生成AIで業務を50%削減」の事例も 企業が活用するためのポイントとは?(3/3 ページ)
コンビニ大手のファミリーマートが、生成AIの活用で一部業務を大幅に削減できる見込みが立ったと発表した。一方で多くの企業ではまだまだ生成AIの活用は進んでいない。どのような点がポイントになるのか、識者が解説する。
社外パートナーとの連携も重要
生成AIソリューションを提供するIT企業側の視点では、どの業種でも汎用的に使える人事や労務、議事録などのソリューションが売りやすいのかもしれません。しかし、導入する企業側の視点に立つと、例えば医療業界と小売業界ではもちろん業務特性が異なり、各業界の利用シーンに即したソリューションになっている必要があります。そうでないと、冒頭のアンケートにある通り、検討はしているがイメージが湧かないという事態に陥ってしまいます。
具体的には、次の図にあるように、業種横断的な汎用的機能と、自社の業務特性ならではの解決策の両立がなくてはなりません。マイクロソフトが提唱しているように、今後は業種別の課題に応じたソリューション提供がIT企業やコンサル会社に求められていくことでしょう。
その中で、今後生成AIは業務効率を前提とした普及をしつつ、次の要素を蓄積しながら発展していくことが予想されます。
(1)データの蓄積・統合
(2)生成機能の精度向上
(3)業種別メソッドの体系化
(4)機械学習との連携
(5)自動車やロボットなどハードウェア進化との融合
これらのテーマに人が関わりながら具体化していくことで、テクノロジーの価値の最大化につながります。その意味で、冒頭で紹介したファミリーマートのように、まずは自社業務に合わせて実証実験を行い、一定の成果を検証する。そしてその手応えを得て次なるアクセルを踏むという手順は多くの企業の見本となる事例でしょう。
生成AIソリューションを提供する企業は、今や国内にも数多く存在しており、ノウハウが既に蓄積されています。そうした専門プレーヤーと協議しながら、まずは実証実験に早期に着手し、自社独自の成功モデルを推進することが求められます。
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