なぜ、JR東は「銀行化」するのか? 運賃4割引きなど、破格の特典も懐が痛まないワケ:異業種の参入(1/4 ページ)
JR東日本は5月から銀行事業、「JRE BANK」をスタートさせる。破格の特典が目立つが、銀行事業参入による狙いは何か。
JR東日本による新しいデジタル銀行サービス「JRE BANK」がいよいよ5月からスタートする。JRE BANKは銀行サービスを楽天銀行が代理し、JR東日本のブランド名で提供する形で5月から始動する。
JRE BANKの特徴は、JR東日本の駅にあるATMから手数料無料で何度でも現金を引き出すこと。が可能だ。Suicaなど既存のサービスとの連携も強化している。JRE BANKは鉄道経済圏と金融の融合を進め、顧客にとってより便利でお得なサービスを展開しようとしている様子がうかがえる。
運賃4割引きチケット、最大6060円相当のグリーン券……破格の特典を用意
話題を集めているのは、鉄道料金の割り引きや充実したポイントプログラムだ。JRE BANK口座をビューカードの引き落とし口座に設定したうえで、預金残高を継続的に50万円以上に維持しておけば、複数の特典を獲得できる。
具体的には、「えきねっと」で申し込み可能な鉄道運賃が4割引になるチケットを年2枚提供する。その他にも「どこかにビューーン!」(JR東日本の新幹線停車駅から、ランダムに選ばれた4つの駅への旅行が可能となるサービス)を利用する際に使える2000ポイント割引クーポンも、年間12枚まで配布する。さらに、Suicaグリーン券を年に4回、最大6060円相当が無料で利用できる特典もある。
金融機関の預金金利は、日銀の政策変更を受けてこれから上がるといわれているが、それでも年間の受取利息は年率1%をはるかに下回る。仮にJRE BANKの特典をフル活用すれば、既存の預金金利を大幅に超える恩恵が受けられる。生活者にとっては魅力的に映るだろう。
また、JRE BANKの取引によってJRE POINTが貯まり、これをさまざまなサービスや商品に利用することもできる。特に給与の振り込みや他の銀行取引を通じてランクやポイントが加算されるシステムは、同じく異業種参入で成功を収めた楽天銀行をほうふつさせる。
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