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「自分は知っている」は思い込み――山中哲男氏が「経営者こそ相談すべき」と語るワケビジネスを成功に導く「相談の力」(3/3 ページ)

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相談タイミングを最大限生かしてビジネスチャンスをつかむ

 最後の相談タイミングは「種まき相談」です。予防でも対処でもなく、“偶然”を生かして可能性の種をまく相談とも言えます。たまたま出席した会食で隣に座った人との会話で、自分が取り組むテーマに詳しい人だと分かったら「実は、最近こんなことをやっているんですよね」といったことを糸口に、相談に入ってみてください。

 私は、イベントなどで昔からの知り合いに会ったときも、「久しぶり。最近何してるの?」という近況報告から相談に移ることをよくやっています。このような種まき相談では、あれこれ考えすぎずにタイミングを逃さないことが大切です。

 そのためには、常に自分が取り組みたいテーマや課題について考え、説明できる状態にしておくことが理想です。特に経営者やリーダー層は、社外との接点も多いでしょう。相談を活用することで、事業やプロジェクトを進める力になるはずです。

 お伝えした相談タイミングを最大限生かすことで、現場感を持った意思決定につながる余白は大いにあると思います。

相談Q&A

Q:相談する時に相手の時間をとって申し訳ないと思ってしまい、相談する一歩目が踏み出せません。どうすればいいでしょうか?

A:相談されて迷惑かどうかは相手に聞かないと分からないので、相談前に遠慮しても意味がありません。仮に、相手に相談を断わられたら「今がタイミングじゃないんだな」と思って次の相談相手を探します。

 大切なポイントは2つあります。1つは相手には相手の事情があるということ。出張中だったり、相談内容のテーマに興味がなかったり、メールを見落としていたりする場合もあるでしょう。迷惑だから相談に乗らないというケースは少ないと思います。

 もう1つは、相談相手は一人ではないことです。これは当たり前のようですが見落としがちです。「この人に相談できないからやめておこう」と相談しない言い訳にもなってしまいますので要注意です。

 最後に、もし相談に乗ってくれたら「時間をとってしまって申し訳ない」と思わないでOKです。相手も相談内容に興味関心があったり、あなたを応援したかったり、いろいろなな理由があって相談に乗ってくれています。変な遠慮は時間がもったいないので、思う存分相談してください。

著者プロフィール

トイトマ 代表取締役社長 山中哲男

1982年兵庫県生まれ。事業開発、事業戦略立案の専門家。2003 年に新規事業開発支援、既存事業の戦略立案をハンズオンで支援するインプレス(現:トイトマ)を創業し、代表取締役に就任。米国ハワイ州にて日本企業に対し、海外進出支援、店舗M&A 仲介にも従事し、丸亀製麺の海外1 号店などを支援。19 年に地域開発の新たなファイナンススキームを構築し展開するため、NEC キャピタルソリューションと共にクラフィットを創業し代表取締役に就任。他にも複数の企業の取締役、中央省庁政府の有識者委員・アドバイザー、大阪・関西万博2025事業家支援プロジェクトチームサブリーダーなどを務める。近著に『相談する力 一人の限界を超えるビジネススキル』(発行元:海士の風、発売元:英治出版)がある。


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