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超簡単! 無料開放の「GPTs」で社内用FAQを作る方法その悩み、生成AIが解決(1/2 ページ)

社内問い合わせの対応が面倒くさい……ならばAIで自動化してみよう。無料ユーザーにも機能が開放されることになった「GPTs」の機能で、オリジナルのチャットを作成する方法とは。

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連載:その悩み、生成AIが解決

アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。

Q.社内から業務についての問い合わせが多く、対応が負担です。ChatGPTに代わりに答えてもらうことはできますか?

 経費精算や勤怠管理、部署の業務ルール――。マニュアルにまとめられていても、それを読むよりは担当者に問い合わせた方が早い! と考える人はきっと多いだろう。

 問い合わせを受ける側は、毎日同じようなことばかり聞かれて疲弊する。回答の元になる情報は業務マニュアルにまとめられているので、もはや人が回答する必要はないのでは……? とモヤモヤが募る。

 そんなときに役立つのが、目的に応じたオリジナルのチャットを作成できる「GPTs」だ。これまでは有料プラン限定の機能だったが、2024年5月13日に行われた米Opne AIの発表会で、無料ユーザーにも機能が開放されることが明らかになった。

 今回は、既存のPDFの業務マニュアルを元に質問に回答するGPTsを作成していく。


無料開放の「GPTs」で社内用FAQを作る方法とは? 写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

著者プロフィール:酒井麻里子(さかい・まりこ)

ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。


PDFのマニュアルを元に回答するチャットを作る

 まず、サイドバーの「GPTを探す」からGPTストアを開き、画面右上の「作成する」ボタンをクリックしてGPTsの作成画面を開こう。


「GPTsストア」は、さまざまなGPTsが公開されたプラットフォーム。右上のボタンから独自のGPTsを作成できる

 GPTの作成画面は左右に2つのチャット画面が並んだ構成になっている。左側がGPTsの回答条件などを指示する作成用のチャット、右側が作成したGPTsの挙動を確認するためのプレビュー用のチャットだ。


左側のチャットで作成のための指示を行い、右側のプレビューで動作確認をする

プロンプトの記入例と注意点

 まずは左側のチャットの入力欄に回答の元になるPDFファイルをドラッグ&ドロップしてアップロードし、以下のように最初のプロンプトを入力しよう。

プロンプト

総務部への問い合わせに対して回答を行う、社内向けのチャットを作成したいと思います。PDFファイル「社内マニュアル」の内容を元に質問に回答してください。

回答する際は、以下のルールを必ず守ってください。

  • 原則として、マニュアルに記載されていることのみ回答する。
  • マニュアルに掲載されていない情報を回答として出力する場合は、「以下は一般的な参考情報です」等と明言した後に、情報を出力する。

※なお、この作成画面での会話は日本語でお願いします。

 このような業務向けのチャットを作成する場合に一番避けなくてはならないのが、マニュアルに記載されていないことを正しい答えのように回答してしまうハルシネーションだ。そのためプロンプトでは「原則としてマニュアルに記載されていることのみ回答する」ことをルールとして記載した。

 ただしそれだけでは、質問に対する回答がマニュアルに記載されていなかった場合に、「お答えできません」という不親切な回答で終わってしまうことになる。そこで「一般的な参考情報であること」を明確に伝えれば、マニュアルに掲載されていない情報も回答可能とするルールを加えている。

 加えて、やりとりを日本語で行うために「この作成画面での会話は日本語でお願いします」の指示をつけている。GPTsの作成画面では、特に指定がないと英語で回答が出力されてしまうことが多い。最初にこの指示を入れておくと後の操作が楽になる。


基本的な回答の方針などを、最初のプロンプトとして指示する。情報元のPDFも忘れずにアップロードしよう

 プロンプトを送信すると、続いてチャット名が提案される。提案されたものでよければ「OKです」などと回答する。さらに、画像生成AIを使ったチャットのプロフィールアイコンの案も表示される。提案されたものがイメージと違うと感じた場合は、指示をして修正することも可能だ。納得のいくアイコンが生成されたら「OKです」と回答しよう。


指示内容にあわせて、チャット名やアイコン画像が提案される

 続いて「重視する質問や避けるべき回答」を聞かれたので、「社内マニュアルに内容に基づいて答える」「マニュアルに記載されいないことを社内ルールであるかのように回答しない」という回答方針を改めて伝えた。


最初のプロンプトにも記載しているが、改めてルールを伝えた

思い通りの回答が得られない場合はどうする?

 次の質問では、それ以外に大切にしたい口調や態度について問われた。ここでは、マニュアルに記載されていないことを聞かれた場合の対応として「回答がマニュアルにない場合でも、突き放す印象になるような答え方は避ける」「回答を持っていないことを伝えたうえで、相手をねぎらう言葉をかけたり、一般的な参考情報を伝える」という方針を伝えた。


マニュアルに記載されていないことを聞かれた場合の対応を指示した

 一通りの指示が完了したら右側のプレビュー画面に質問を入力し、意図した通りの回答が出力されるか確認しよう。思い通りの回答が出力されない場合は、左側のチャットで追加の指示を出して修正していけばよい。


正しい回答が出力されるかどうかの確認を右側のチャットで行う。先ほど生成したアイコン画像のプレビューも大きく表示された

 チャットが完成したら、画面右上の「作成する」ボタンをクリックし、ポップアップ表示されるウィンドウから公開範囲を選択しよう。今回はURLを知っている人だけがチャットを利用できる「リンクを受け取った人」を選んだ。


この後の画面に表示されるURLを、チャットを利用する人に共有すればよい

 リンクを受け取った人がChatGPTにログインした状態でURLにアクセスするとGPTsのチャット画面が開き、作成したGPTsと会話ができる。


通常のChatGPTと同じ要領で質問をして回答を得ることができる
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