ドンキやABCマートなどで「ちょっと座るイス」がじわじわ “座って接客”の効果は?:“立ちっぱなし”問題の解決を目指す(3/5 ページ)
アルバイト情報サイト「マイナビバイト」が、2024年3月に始めた「座ってイイッス PROJECT」が好調だ。接客業など立ちっぱなしとなる職場環境の改善を目指し、イスに座って働くプロジェクトで、ドン・キホーテやABCマートなども参加。賛同の声が広がっている。“座って接客”は、どんな効果を生むのか。
想定を超える120社以上から問い合わせ
本プロジェクトの開始にあたり、マイナビが付き合いのある約30社に参加を促したところ、賛同したのは、PPIHや三井不動産商業マネジメントなど6社だった。
「働き方改革を積極的に推進したい企業を中心に参加いただきました。参加を見送った企業は『第一弾として導入するのは不安だから、ひとまず様子を見たい』という理由が大半でした」(鈴木氏)
マイナビが接客業務のあるパート・アルバイトを雇用している雇用主300人に調査した結果では、73.3%が「パート・アルバイトが接客中にイスに座っても良い」と回答した。一方で、常時座っての接客を許可しているのは23.3%にとどまっている。
座っての接客を導入しない理由は、「お客さんからの印象悪化を防ぐため」が33.8%で最も多い。一方で「なんとなく・理由はない」(25.6%)、「変えるきっかけがない」(12.8%)など明確な理由がないケースも少なくないようだ。
マイナビでは、3月末ごろに参加企業にトータル100脚ほどのマイナビバイトチェアを納品。導入企業は現在も座っての接客を継続している。プロジェクトの発表後は、世間の反応の大きさに驚いているという。
「予想をはるかに上回る反応があり、これまでに120社以上から問い合わせがありました。職種や業種も幅広く、小売店や飲食店を中心に製造業、警備、受付などさまざまです」(鈴木氏)
「Web媒体だけでなく、テレビ番組でも取り上げられたことで認知が広がったように思います。大手企業に参加いただいた影響も大きかったですね」(南波氏)
SNSでも反響が大きく、賛同している投稿が多く見られた。中には「背もたれ付きのイスにして、もっとラクに働いてほしい」という声もあった。
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