パリ五輪、選手への誹謗中傷を「AI」で削除 SNS投稿は「5億超え」見込み
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、7月に開催されるパリオリンピックにおいて、1万5000人の選手と関係者を対象に、SNSでの誹謗中傷をブロックするためにAI技術を導入すると発表した。
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国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、7月に開催されるパリオリンピックにおいて、1万5000人の選手と関係者を対象に、SNSでの誹謗中傷をブロックするためにAI技術を導入すると発表した。
5億を超えるSNS投稿にどう対応する?
今回のオリンピックは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻や、ガザ地区でのハマスとイスラエルの戦闘など、現在も続く戦争の中で開催される。これらの出来事は既にSNS上での誹謗中傷の原因となっている。
7月26日に開幕するオリンピックでは、32競技、1万500人以上の選手が参加。16日間の大会期間中に5億以上のSNSエンゲージメントが見込まれている。
「IOCはパリ大会でさまざまな分野でAIを活用する」とバッハ会長は記者会見で述べた。「特に安全対策の一環として、5億以上のSNS投稿が予想される中、全ての投稿を確認するのは非常に困難だ。そのため、選手をサイバー中傷から守るために、AIによる積極的な監視ツールを提供する。このAIツールは1万5000人の選手と関係者を対象に広範な監視を行い、誹謗中傷投稿を自動的に削除する」
ロシアとベラルーシの選手は、自国の旗の下ではなく中立の立場での参加が許可されており、これに対してモスクワは不満を示している。
このAIの対策は、政治的攻撃だけでなく、あらゆる種類の誹謗中傷を対象とする。ただし、選手がどの程度までアカウントへのアクセスを提供する必要があるかについての詳細は明らかにされていない。
また、バッハ会長は、フランスの政治情勢やオリンピック直前に予定されている臨時議会選挙が、大会の準備や開催に影響を及ぼすことはないと述べた。「われわれは心配していない。政府も野党も、フランスがオリンピックの機会に最高の姿を見せることを望み、決意していると表明している」とバッハ会長は語った。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、反移民・反EUの国民連合が欧州議会選挙でトップに立った後、6月末に臨時議会選挙を実施することを発表している。

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