台湾TSMC、AIへの需要好調で純利益9%増 CEOが語る今後の見通し
世界最大の半導体メーカーであり、AppleおよびNvidiaの主要サプライヤーでもある台湾積体電路製造(TSMC)は、人工知能(AI)アプリケーションに使用される半導体需要の波に乗り、第2四半期売り上げが30%も増加する可能性があると予想した。AIへの需要は引き続き好調だ。CEOが語る今後の見通しは?
世界最大の半導体メーカーであり、AppleおよびNVIDIAの主要サプライヤーでもある台湾積体電路製造(TSMC)は、人工知能(AI)アプリケーションに使用される半導体需要の波に乗り、第2四半期売り上げが30%も増加する可能性があると予想した。
AIへの需要好調 CEOが語る今後の見通し
TSMCの幹部は、AI用プロセッサーの急増により、同社が半導体業界の先行指標として注目を集める理由を明確に示した。
「ほぼ全てのAIイノベーターは、エネルギー効率の高いコンピューティング・パワーに対するAI関連のあくなく需要に対応するため、TSMCと協力している」と、C.C. Wei氏(CEO)は同社の第1四半期決算説明会で述べた。
「AI関連のデータセンター需要は非常に強い」と同氏は述べ、従来のサーバーからAIサーバーへのシフトはTSMCにとって「好都合」だと付け加えた。
TSMCは、コロナ禍で高まった電子機器需要の先細りを乗り切り、同社の株価を過去最高に押し上げたAIの波の恩恵を受けている。
AIサーバーは2024年の売上高に占める割合が10%台前半となり、昨年の2倍以上になると予想され、2028年には20%以上になるという。また、自動車用の半導体の需要は、以前は伸びると予想されていたが、今年は落ち込むだろうと付け加えた。
今後の見通しについてTSMCは、第2四半期の事業は業界をリードする3ナノメートル技術と5ナノメートル技術に対する旺盛な需要に支えられると予想している。しかし、スマートフォン向けの需要は低迷が予想される。
今年の設備投資については、昨年の304.5億ドルに対し、280億〜320億ドルに据え置く。その70〜80%を先端技術に振り分けるとしている。
2024年は、米ドルベースで20%台前半から半ばの増収を見込んでいるという。
「2024年に向けて、マクロ経済と地政学的な不確実性は続いており、消費者信頼感と最終市場の需要にさらに影響を与える可能性がある」とTSMCは声明で述べた。
オンライン決算説明会は、投資家とアナリストがアクセスできない技術的な問題のため、開始直後に約15分間、一時中断した。
純利益「9%増」 世界中に製造拠点を拡大
4月18日、TSMCは第1四半期の純利益が9%増加し、市場予想を上回ったと発表した。TSMCの1〜3月期純利益は前年同期の2069億台湾ドルから2255億台湾ドルに増加した。LSEG (ロンドン証券取引所グループ)がまとめたアナリスト予想の2181億台湾ドルも上回った。
TSMCは、第1四半期の売上高が前年同期比13%増の188億7000万ドルに達し、会社予想の180億〜188億ドルを上回ったと発表した。同社は先週、台湾ドル建ての第1四半期の売上高を発表しており、その額は5926億4000万台湾ドルだった。
TSMCの台北上場株は今年に入ってから36%急騰している。4月18日の発表前の時点では、同社の株価は横ばいであり、基準指数は0.4%上昇していた。
同社は「米国、日本、ドイツを含む海外に数十億ドルを投じて新工場を建設しており、世界的な製造拠点を拡大することが戦略的に重要であり、2025年前半には米国アリゾナ州での生産が予定されている」と述べた。
同社は先週、アリゾナ州での半導体生産への投資計画を250億ドル増の650億ドルに拡大し、2030年までに第3の製造工場を追加すると発表した。
この発表は、米商務省がTSMCに対し、アリゾナ工場への66億ドルの補助金と、50億ドルを上限とする低コストの政府融資を行うと発表したことを受けたものだ。
※1ドル=32.3190台湾ドル
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