銀座でなんと3時間待ち! 「アサヒスーパードライ」の新しい店と若者の関係:火曜日に「へえ」な話(1/4 ページ)
1987年に登場した、アサヒビールの「スーパードライ」は今年37歳になる。いわゆるロングセラー商品であるが、会社はある課題を感じている。それは世代交代だ。若い人に飲んでもらうために、どのような取り組みをしているのかというと……。
ロングセラーという言葉がある。長期間にわたって売れ続けている商品のことになるが、どのようなモノがあるのか。大正製薬の「パブロン」は1927年、永谷園の「お茶づけ」は1952年、明治の「きのこの山」は1975年にそれぞれ産声をあげている。
まだまだほかにもたくさんある中で、個人的に気になっている商品がある。1987年に登場した、アサヒビールの「スーパードライ」だ。発売するやいなや「辛口の生ビール」が評判を呼んで、売り上げがどんどん伸びていく。他社からもドライビールが登場し「ドライ戦争」とも呼ばれていたが、アサヒビールの優位は揺るがず。その後も人気が続いたので、ロングセラーの仲間入りしているわけだが、会社としてはある課題を感じている。若返りだ。
スーパードライのメインユーザーは40〜50代である。ビールを購入するのは年配の人が多い傾向があるが、会社としては若い人にもファンになってもらいたいという思いがある。スーパーやコンビニの棚に商品を並べて、「はい、どうぞ」という待ちの姿勢だと、なかなか振り向いてくれない。ということもあって、ここ数年を振り返るだけでも、20〜30代のファンを増やすために、あの手・この手を打っているのだ。
2021年にはアルコール度数4%の「ザ・クール」(現在は発売していない)を、2023年には同3.5%の「ドライクリスタル」を、それぞれ投入。2022年には発売以来36年目で初となるフルリニューアルして、2年後にも一部を変更している。また、今年の2月には縦長の容器を使った「スマート缶」を数量限定で発売。スーパードライの350mlの高さは12.3センチだが、スマート缶は15.5センチである。
なぜ縦長の商品を投入したのかというと、20〜30代の人に手に取ってもらいたいから。若い人はエナジードリンクが好き→エナジードリンクで使われている缶を使用→手に取ってくれるのではないか。という仮説を立てたところ、見事に的中。好評だったことを受け、ミュージシャンとのコラボ企画を次々に企画しているようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ぷかぷか、ふわふわ! なぜ「未来のレモンサワー」からレモンが浮かんでくるのか
アサヒビールがちょっとユニークな商品を開発した。“本物”のレモンスライスが入った「未来のレモンサワー」である。フタを開けるとレモンが浮かんでくるわけだが、どのようにして開発したのか。担当者に聞いたところ、想定以上の困難が待ち受けていて……。
なぜスーパードライから“細い缶”が登場するのか 「モンスター」と同じサイズ
アサヒビールが2月27日に発売する「アサヒスーパードライ スマート缶」は、若年層をターゲットにした新商品だ。開発背景や狙いを聞いた。
タコハイって何味? サントリーの謎めいた商品が爆売れした背景
サントリーが3月に発売した「タコハイ」が好調だ。しかしながら、タコハイとは何か知らない人も多いはず。それなのにテレビCMでは、結局どんな飲みものなのか明かさない手法を採用した。結局、どんな商品なのか。そして、なぜ売れたのか。
「サントリー生ビール」が売れている ヒットの背景に“違和感”あり
4月に登場した「サントリー生ビール」が売れている。その要因として、味わいやマーケティングなどが挙げられるだろうが、筆者は「パッケージデザイン」が気になった。どういうことかというと……。



