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「サントリー生ビール」が売れている ヒットの背景に“違和感”あり経済の「雑学」(1/4 ページ)

4月に登場した「サントリー生ビール」が売れている。その要因として、味わいやマーケティングなどが挙げられるだろうが、筆者は「パッケージデザイン」が気になった。どういうことかというと……。

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 4月に登場した「サントリー生ビール」(350ml、199円)がいい感じで売れている。発売3カ月で200万ケース(1ケースは大ビン20本換算)を超えていて、当初の販売計画を1.3倍に増やしたのだ(300万→400万ケースに)。

 好調の要因はいくつかある。味わいもあるし、商品コンセプトもあるし、マーケティングもある。このほかにもあるだろうが、個人的に気になっているのは「違和感」である。


サントリー生ビールが売れている

 「なに、それ。売れていることにケチをつける気なの?」と思われたかもしれないが、違う。売れていることに違和感を覚えているのではなく、パッケージデザインに不自然な印象をもっているのだ。

 スーパーやコンビニの棚には、各社のビールがたくさん並んでいる。そんな中で、サントリー生ビールを見ると「カッコいい」とか「オシャレ」とか「洗練されている」といった言葉が浮かんでくるのではなく、どこか引っかかるのである。その謎を解いていくと、デザインが“非対称”であることが分かってきたのだ。


スーパーやコンビニの棚には、たくさんのビールが並んでいる(出典:ゲッティイメージズ)

 競合他社のビールを見ると、左右対称になっているモノが多い。その理由を調べると、諸説ある。なんとなく説得力があった言葉をまとめると、次のようになる。ビールには堂々とした姿がよく似合う。左右対称にしたほうが堂々とした印象がある。だから、左右対称のデザインが適している。

 ビールにはビールの掟、業界には業界のセオリーがあるようだ。しかし、そんな不文律をあえて破って、サントリーはお客の目を引くデザインにしたという。


ビール樽をモチーフに(出典:ゲッティイメージズ)

 新商品のデザインは、大きくわけて2つの特徴がある。1つは企業名がドーンと入っていて、シンプルなネーミングを施していること。2つめは、生ビールの象徴であるビール樽をモチーフにして、会社のロゴを大きくしていること。

 「そう言われてみると、ビール樽のデザインのようだな」と感じられたかもしれないが、業界のセオリーから外れたデザインは、どのようにして決まったのだろうか。

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