東京メトロ、業務に生成AI導入へ 問い合わせの利便性向上や業務効率化目指す
東京地下鉄(東京メトロ)は6月18日、利用客向けチャットボットとお客さまセンターの業務に生成AIを導入すると発表した。東京メトロの「お客さまセンター」には年間約25万件の問い合わせがあり、生成AIを活用することで、問い合わせした際のお客の利便性向上や業務効率化を目指す。
東京地下鉄(東京メトロ)は6月18日、利用客向けチャットボットとお客さまセンターの業務に生成AIを導入すると発表した。生成AI ・LLMソリューションを提供するAllganize Japan(東京都渋谷区)と協業し、2024年秋の導入を予定している。東京メトロの「お客さまセンター」には年間約25万件の問い合わせがあり、生成AIを活用することで、問い合わせした際のお客の利便性向上や業務効率化を目指す。
生成AI導入後は、3つの取り組みを進める。1つ目はお客さま向けチャットボット機能の高度化だ。現在、東京メトロ公式Webサイト上のチャットボットは、想定しているFAQをもとに回答している。そのため、多様化する利用客からの質問に回答しきれないという課題があった。
生成AI導入後は、従来の機能に加えて、公式Webサイトの情報なども活用して回答を作成。チャットボットで回答可能な問い合わせの範囲を拡大し、利便性向上を図る。
2つ目は忘れ物に関する問い合わせ方法の改善だ。忘れ物についてメールで問い合わせる際、忘れ物の検索に必要な情報をオペレーターやお客が何度も確認する必要があった。今後は、チャットボットで必要な情報を入力できるようになり、両者の手間が減るという。
3つ目はお客さまセンター宛へのメール対応の効率化だ。これまでは、オペレーターが「問い合わせ内容の把握」「回答に必要な情報の検索」「回答案の作成」をしていた。今後は、こうした業務を生成AIが自動化。業務効率を向上し、より多くの問い合わせに対応できるようにする。
東京メトロは「Allganize Japanと協力し、『地下鉄を分かりやすく快適に』利用できるよう、質の高いサービスの提供に努める」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「東京メトロ」上場へ、鉄道以外で“やるべき”事業は何か
政府と東京都が、両者で100%保有する東京地下鉄(東京メトロ)の株式の半分を売却する方針だという。上場後の東京メトロに期待されることとは――。
東海道新幹線の「品川駅折り返し列車」構想は、どうなった?
東海道新幹線に「品川駅折り返し列車」構想があった。東海道新幹線の品川駅構想は、元は国鉄時代にあったが一旦白紙となった。その後、JRグループ発足3年後にJR東海が品川駅構想を再起動。その結果、2003年に品川に東海道新幹線の駅ができた。駅はできたが、品川駅折り返し列車はない。なぜか。
JR東日本「みどりの窓口削減凍結」に、改めて思うこと
JR東日本は5月8日、定例社長会見で「みどりの窓口の削減方針を凍結する」とした。3年前の440から209まで減らしており、2025年までに70%程度に減らす方針だった。しかし混雑解消には、凍結ではなく増やす必要がある。オンライン予約とチケットレスは便利だが、改めて思うことがある。
ココス「803円」の朝食バイキング 30種類以上から選べてなぜこの値段?
忙しい朝だからこそ栄養バランスの取れた食事をしたい、しかし自分でたくさんの品目を用意するのは大変だ。そんな時こそ利用したいのが、ファミリーレストラン「ココス」が提供する珍しい朝食だ。



