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物流2024年問題の解決には、業界再編が不可欠ではないか日本の物流がパンクする前に(2/3 ページ)

物流2024年問題の解決に向けて物流各社の改善努力は続いているが、抜本的な解決のためには業界再編による体力アップとネットワークの拡大しかないのではないか。

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 それらに比べたら地道だが、配車効率や積載効率を上げるため、新たに配車システムやナビゲーションシステムなどのITを導入したり既存のシステムを更新したりして対処しようとする会社も多いようだ。

 ただし、こうした思い切った対策を講ずることができるのは大手の運送会社に限られているのが実情だ。

 たとえば、先に挙げた「複数のドライバーで同じトラックを乗り換えてリレーする」方式を採用できる運送会社は、それだけ広域のネットワークを自社でカバーしていて、頻繁かつ十分な量の双方向の運搬が発生していることが条件となる。そもそもいずれの策も相当な投資およびコスト増を伴う。

 また、ドライバーに荷積みをさせる荷主がまだまだ多いのが実情だが、本来である「荷主側が荷積みをする作業員を確保する」ことで、ドライバーの作業時間を減らして運転に集中させる取り組みに協力するまともな荷主も現れてきている。

 それでも大きな課題としての「荷待ち時間」問題(※)は、物流センターの大幅改修と予約・連絡システムの刷新が求められるため、解決できていないところが大半だ。

(※)積み込み・荷下ろしの順番待ちのために荷主や元請け会社の物流センターで長時間待たされる実態があり、結局トラックで走る時間が削られているという問題のこと。

 一番肝心なこととして、トラック事業者は、確実にコスト増になるのを運賃価格に転嫁できるよう、荷主企業(および元請け会社)との間で交渉を進めてきている。しかし全般的に荷主−運送会社の間での力関係は圧倒的に前者が強く、大手事業者を除いて全体的にはなかなか価格転嫁は厳しいのが実情のようだ。

 個々のトラック事業者の努力でコスト削減できる余地はかなりやり尽くしており、それでも新たに課された労働時間制約の下で今の物流量を捌き切るためには、あとは「業界再編」を大胆に進めるしか現実解はないのではないか。

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