なぜ「うなぎビジネス」が盛況なのか “うなぎのぼり”が続きそうな3つの理由と大きな不安:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
「うなぎビジネス」の評価が“うなぎ上り”だ。これまでの高級食パン専門店ブームなどとは異なる道をたどりそうな予感がするが、なぜそう思うかというと……。
「土用丑(うし)の日」を目前に控え、「うなぎビジネス」の人気が“うなぎのぼり”となっている。
まず飛ぶ鳥を落とす勢いなのが、職人いらずのフランチャイズとして全国で急速に店舗数を増やしている「鰻の成瀬」だ。7月6日にはなんと5つの店舗を同時にオープン。同日には初のライブコマースイベントを開催した。
そんな盛況ぶりに便乗しているかのように、異業種も「うなぎ」に力を入れている。焼き肉&すしの食べ放題で知られる「すたみな太郎」は7月13〜15日に「うなぎ食べ放題」を実施する。近鉄百貨店も7月3日、初となる鰻専門店「うなぎ屋 ハレルヒ」をあべのハルカス近鉄本店にオープンさせた。
そんなちまたの「うなぎ人気」を食品メーカーも商機と捉えているようだ。日清食品は7月11日に「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」をオンライストアにて5000個限定で発売する。これは大豆タンパクを用いた“擬似うなぎ”として2023年に発売され、わずか1分で1000セットが完売した商品だ。2024年は改良を重ね、さらに本物のうなぎの味や食感に近づけたという。
さて、こういう話を聞くと「どうせブームが過ぎたら高級食パン専門店とか、なんちゃらステーキみたいに失速していくんじゃないの?」と思う人もいらっしゃるだろう。
確かに、毎年59万人の人口が消えていく今の日本において、人気が出たからといってイケイケドンドンで出店攻勢を仕掛けると、その反動で閉店ラッシュが起きることが幾度となく繰り返されてきた。人気商品、人気の業態をパク……ではなくインスパイアされた類似点があふれかえり、少ない客を奪い合うカニバリが始まるからだ。
とはいえ、「うなぎビジネス」はこれまで閉店ラッシュが起きた業種・業態とはちょっと違う部分もある。必ずしも高級食パン専門店やなんちゃらステーキと同じような道をたどるとは限らないのではないか。
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