段ボール箱で肉をジュージュー! 自分で焼ける「焼肉弁当」が上陸 試験販売はどうだった?:「実証実験」の結果(3/4 ページ)
弁当箱の中で肉を焼ける「焼肉弁当」が登場した。海外で販売されていて、日本に上陸したわけだが、どんな弁当なのか。取材したところ……。
一難去ってまた一難
海外で売っている「アツアツの焼肉弁当」を日本でも販売できないか――。米国の段ボール会社に打診したところ、話はとんとん拍子に進んだ。先方は「多くの日本人は焼肉が好き」なことを知っていて、チャンスがあれば日本での展開を視野に入れていたそうだ。
そんなこんなで、両社の思惑は一致。カルネヴァーレ社は弁当箱を輸入して、日本で販売することになったのだ。だが、しかしである。初めてのことなので、話はスムーズに進まない。輸入の「通関」である。弁当の中に「炭」「マッチ」などが入っているので「危険物」と見られ、サンプルがなかなか手に入らなかったのだ。
その後、なんとか手にできても、「炭」が使えないことも分かってきた。米国から送られてきた炭は「木炭」で、着火は速いが、大量の煙がたちこめる。家の庭で楽しもうと思っても、煙がたくさん出ると近所の家に迷惑がかかってしまう。こうした懸念があったので、木炭ではなく、煙が少ない「竹炭」に変更した。木炭に比べて竹炭は着火に難があったが、それでも煙が少ないほうを選んだ。
これで一件落着……というわけにはいかない。次は、許認可である。これまでになかった弁当を扱うということは、いろいろクリアしなければいけないことが多い。保健所や役所などを回って、日本の衛生基準や消防法の規制に合うように何度も何度も修正を加え、ようやく試験販売にこぎつけたのだ。
場所は東京・恵比寿のガーデンプレイスで、期間は6月28日から7月3日まで。弁当は5種類を用意して、価格は2480〜5000円。500食を準備したわけだが、結果はどうだったのか。
8割にあたる400個が売れた。「完売ではなかったのね。ま、価格も高いし、弁当箱の中で肉が焼けるなんて聞いたこともないし、ちゅうちょした人も多かったのでは?」と感じられたかもしれないが、天候に恵まれなかった事情がある。販売場所は屋外で、期待した週末は雨。風も強くて1日は休業になったので、結果は「まずまず」と言えるのかもしれない。
完売はしなかったものの、お客からは「おいしい」という声が届いた。その一方で、課題も浮き彫りに。「着火」である。先ほど「木炭に比べて竹炭は着火に時間がかかる」といった話を紹介したが、風が強い日になかなか火がつかないケースがあったのだ。どうすればこの問題を解決できるのか。まだ解決策は見つかっていないようだが、今秋の本格販売を前に改良を加えていくようだ。
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