2015年7月27日以前の記事
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中国製EVが「日本市場で好調」と言い張りたい、本当の理由高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

中国製EVが各国市場に進出し、新たな脅威となっている。しかし、安全性や品質の面で、日本では受け入れられないかもしれない。それでも日本に進出する理由は、日本で販売していることを手柄にして、新興国市場でブランドイメージを高められるからだ。

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日本で中国製EVは売れるのか

 そして日本では、EV全てに補助金を支給して普及させようとしているため、中国製EVも補助金の対象となっている。それでも2024年度からは、車両や住宅の環境(V2Hなど、再生可能エネルギーの積極的な利用)だけでなく、ディーラーやインポーター(輸入業者)のEV環境への貢献度によって補助金の支給額に差を設け、日本の自動車メーカーやテスラ以外は、補助金を削減することになった。

 つまり日本は、いまだに中国製EVの購入を国が後押ししている状況だ。にもかかわらず、日本市場での売れ行きは芳しくない。


中国でのEV急速充電器(提供:ゲッティイメージズ)

 そもそも日本ではEVが売れる環境が整っていない、ということが前提にあるのも確かだ。ようやく増加に転じたものの充電環境は乏しく、集合住宅では自宅で充電できる体制がほとんど整っていない。

 急速充電器も高速道路や道の駅などの大きな駐車施設には充実しつつあるが、幅広いユーザーの日常的な使い方を考えると、まだまだ不便なシーンは多い。充実しているのは都市部の、それも一部の地域だけだ。


日本でのEV関連イベントの模様。さまざまな自動車メーカーがEVやPHEVを展示し、EVに触れる機会を作ることで関心を高めようとしているのだ

 そして電池コストの影響により、まだまだ車両価格は高い。だから補助金事業が存続している。つまり本来のEV需要は限定的であり、補助金なしでは商品として成り立たないEVがほとんどだということだ。

 そんな中で中国製EVを買うのは、目先のガソリン代負担や補助金を含めた支払額の安さだけで選ぶ人が多いのかもしれない。新しいもの好きや品質、性能を追求するようなEVユーザーは、テスラやドイツブランドのEVを購入するだろう。もっともドイツブランドでもバッテリーは中国や韓国製を搭載しているものや、中にはクルマの生産そのものを中国で行っている車種もある。

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