「水をくれ!」 株主総会で“モンスター株主”はなぜ現れる? 上場企業が覚悟すべき「投資単位引き下げ」のリスク(2/4 ページ)
「水をくれ!」「手土産をくれ!」 株主総会でこんな要求が株主からされたとして話題になった。上場企業に今後覚悟すべきリスクとは。
一般人には手が届かない株式だからこそ……
バフェットは、株式分割が短期的な投機を助長し、企業の実質的な価値に対する長期的な投資を阻害すると考えている。バフェットは「株式分割は一見魅力的に見えるが、それは単なる錯覚にすぎない。実際には何も変わらない」と指摘している。確かに、企業の時価総額をケーキに置き換えた時、いくら細かくカットしたとしても、ケーキ自体の重量が増えるわけではない。
一方でバフェットは、株式分割が行われると株価が下がり、投資家の数が増えることで株式の流動性が向上することを認めている。なるほど確かに、ホールケーキよりはカットされたケーキの方が一般消費者にとっては買いやすい。
しかし、株式の世界で考えると、一般投資家が買えるようになったとしても、その影響は短期的であり、むしろ企業の長期的な成長を阻害する恐れがあると指摘している。バフェットは「われわれは株主の質を重視している。株主数を増やすことよりも、質の高い株主を持つことが重要だ」と述べている。
実際バークシャー・ハサウェイのクラスA株は一株当たりの価格が非常に高いため、一般の個人投資家には手が届かない。しかしバフェットはこれを問題視していない。彼は「高い株価は、真の価値を理解し、長期的に保有し続ける意思のある投資家を引きつけるためのフィルターとなる」と考えている。
ちなみに、バークシャー・ハサウェイのクラスB株(議決権はクラスA株の1万分の1)についてはより低価格で取引されるため、一般の個人投資家にも購入しやすくなっている。クラスB株は過去に50対1の株式分割を行っており、これにより多くの個人投資家がバークシャー・ハサウェイの株式にアクセスできるようになった。バフェットは「クラスB株は、より多くの人々にバークシャー・ハサウェイに投資する機会を提供するためのものであり、それはクラスA株とは異なる目的を持っている」と説明している。
ここまでを前提としてご理解いただいた上で、次項で日本企業に目を移したい。
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