「トヨタが日本を見捨てたら、日本人はもっと貧しくなる」説は本当か:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
トヨタ自動車の豊田章男会長が囲み取材で発した心情が話題になっている。中には「トヨタが日本を見捨てたら日本人はもっと貧しくなる」といった論調もあるが、果たして本当なのだろうか。
令和の日本も同じ
令和日本の大企業中心主義もよく似ている。「みんなでトヨタを応援して、自動車産業が盛り上がれば日本経済も復活だ!」なんて大甘なことを言っているようでは、日本の低賃金はより深刻になって、日本も再び惨めな敗北を喫してしまうだろう。
今回は戦争ではないが、今のままではトヨタが最高益を更新して、日経平均株価も5万円突破なんて景気のいい話が盛り上がる陰で、中小企業で働く低賃金労働者たちが、続々と「経済死」する……なんて悲惨な未来もある。
豊田会長は自他共に認める「ジャパンラブ」の経営者だ。日本の自動車産業の未来を考えた危機感も非常によく分かるが、愛する日本の「第二の敗戦」を避けるためにも、「低賃金労働者」の問題にも切り込んでいただきたい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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