「FMクレド」を聞いたことがあるだろうか。「総務パーソンの成長を応援する」をコンセプトに活動する一般社団法人FOSCの前代表理事クレイグ・カックス氏が生み出した、総務パーソンに求められる心構えだ。経験豊富なまさに総務が生み出した珠玉の言葉である。以下に紹介しよう。
※FM(ファシリティ・マネジメント)とはこの場合、企業活動のための施設や環境の整備、管理を担う総務担当者を指す
FMクレド15カ条
- Credo1.This is MY building 当事者意識を持つ
- Credo2.FM is MANAGEMENT 自分の経営概念を持つ
- Credo3.It's all about Money 2番目に大きい間接経費の管理人
- Credo4.Alignment 正しいFMはない
- Credo5.文化の担い手
- Credo6.FM is 改善
- Credo7.目標のないFMはFMではない
- Credo8.You can’t manage what you don’t measure 測定しないものは管理できない
- Credo9.Know your numbers 自分の担当を熟知せよ
- Credo10.MBWA (Management By Walking Around) ぶらぶら総務になれ
- Credo11.お客様と消費者の違いを知る
- Credo12.評判管理と期待管理
- Credo13.Learn by doing 身体で覚える
- Credo14.Don't fear mistakes 失敗を恐れない
- Credo15.リポートのないFMはFMではない
一見して理解できるもの、なんとなく理解できるもの、皆さんの総務経験により、ばらつきが出るかと思う。今回はこの中から、筆者が特に重要だと思う4つをピックアップして解説したい。
総務が持つべき「当事者意識」とは
まず取り上げたいのが「Credo1.This is MY building」だ。直訳すると「それは私のビルだ」となる。解説していこう。
皆さんが朝、家を出る時、居間にゴミが落ちていたとしよう。ほどんどの方が、ごみを拾いごみ箱に捨てるだろう。なぜなら、ご自身の家の居間であるからだ。
一方で、玄関を出てから駅までの道のりの間に、空き缶やペットボトル、たばこの吸い殻などが落ちていたとする。それらを拾って捨てる人は、少数派ではないだろうか。なぜなら、自分とは関係のない、ただの道路だからだ。
出社して自社オフィスエントランスから、自分の部門のあるフロアに向かうまでの間に、目の前にゴミが落ちていたらどうだろうか。総務以外の社員で、拾う人はまれかもしれない。しかし総務職、中でもオフィスやFM(ファシリティ・マネージメント)のご担当ならどうだろう。すぐに拾って、捨てるのではないだろうか。
「自分はオフィスの担当であり、オフィスの美観を維持することが仕事だ」という当事者意識を持っているからこそ、拾って捨てるという行動に移せる。自分の責任で対応すべきであるという意識が、まずもって、総務のプロには必要となるのだ。だからこそ「Credo1.This is MY building」という当事者意識は、15カ条の中でも最初に位置する。
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