フォートナイトが「証券会社」「旅行会社」ともコラボして稼げるワケ(1/4 ページ)
単なる広告効果を超えて、双方向の利益を生み出す戦略的パートナーシップを提案するフォートナイト。クリエイティブモードを活用したコラボレーションとは
オンラインゲーム『フォートナイト』をご存じだろうか。米Epic Gamesが2017年にリリースし、全世界で数億人のプレーヤーを獲得し、ゲーム業界において確固たる地位を築いているバトルロイヤルゲームである。プレーヤーは100人の「バトルロイヤルモード」で最後の1人になるまで戦う。2023年に初開催された「オリンピックeスポーツシリーズ2023」では、スポーツ射撃競技としてアレンジした本ゲームが種目に追加されたことからも、その影響力の大きさが分かる。
本ゲームをビジネスとして見た時、ユニークな点は「クリエイティブ」と呼ばれるモードにある。自分だけの島やゲームモードを自由に作成できるモードだ。フォートナイトの成功要因には、基本無料モデル、クロスプラットフォーム対応、頻繁なアップデートとイベントなどがあるが、本稿ではこのクリエイティブモードに着目する。
フォートナイトのクリエイティブモードを中心としたコラボレーションが、どのように新規ユーザーの獲得や無課金ユーザーの課金促進に寄与しているかについて、マーケティングの視点から解説したい。
クリエイティブモードを活用したコラボ事例
フォートナイトのクリエイティブモードは、プレーヤーに自由度の高い建築やゲームモードの作成を可能にしていることは先に述べた。実は、名だたる企業がこのモードを活用し、フォートナイトと多様なコラボレーションを行っているのだ。
特に、法人向けにフォートナイト上のメタバース空間を制作する専門の制作会社が存在することも特筆すべきだ。制作会社のNEIGHBOR(東京都渋谷区)は、日産自動車やHONDA、JTBといったIPを持たない企業とフォートナイトとのコラボを実現させている。
コラボした企業は、ゲームの世界にバーチャルショールームを作成したり、仮想旅行体験を提供したりと、新たなブランディングチャネルとして有効活用しているようだ。また、最近では松井証券ともコラボを実施し、証券業界初のメタバースである「MONEY TRADE FIGHT by 松井証券」が8月上旬に公開される。シューティングゲームが金融リテラシーの向上を図る試みを行う点は、他のゲームと一線を画す事例といえるだろう。
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