「ネッククーラー」の完成形? 定番ひんやりグッズからひらめいた新機能とは(2/2 ページ)
「例年にない猛暑」と言われる暑さが続く中、家電メーカーのサンコーが手掛けるネッククーラーが好調だ。4月22日に発売した最新モデル「ネッククーラーAir」(メーカー希望小売価格5980円)は、7月に入って用意していた5万台が完売。再入荷待ちとなっている。
ネッククーラーにファンを搭載しようとしたきっかけ
バッテリーにファンを搭載したきっかけは、ネッククーラーとハンディファンの両方を使っているユーザーがいたことだった。「確かに、ペルチェ素子で冷却したところに風が流れるとより涼しく感じます。ですがハンディファンを併用していると、片手がふさがってしまい不便です。ならばネッククーラーとハンディファンを一体化しようと思い付きました」
昨年モデルと互換性を持たせるため、着脱可能なバッテリー部分にファンを搭載。着け心地が悪くならないぎりぎりまでファンを大きくし、風量を確保した。風を吸い込み排出する機能をコンパクトにすることにも苦労したという。
ネッククーラーに対して、ユーザーからは「もっと長く使えるようにしてほしい」という声が多く寄せられているという。しかし、現時点ではこれ以上稼働時間を長くするのは難しいとのこと。「長く使えるようにするには、バッテリーを大きくする必要があります。しかし、バッテリーを大きくするとどうしても重くなってしまうのです」
ネッククーラーは首にかけて使うので、重くなりすぎると着け心地や使い心地が悪くなってしまう。ネッククーラーAirは250グラムだが、この重量がベストだと﨏氏は話す。その一方で、長く使いたいユーザーのために、モバイルバッテリーをつないでUSB充電ができる仕様にしている。
シリーズ累計110万台を売り上げ、同社の夏の主力商品となっているネッククーラー。﨏氏によると、ネッククーラーは技術的にはほぼ完成した商品だという。ペルチェ素子による冷却と風を組み合わせたネッククーラーAirは、ネッククーラーの完成形と言えるかもしれない。
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