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ビオレ「冷タオル」が好調 真夏の工場でも使われる「ひんやり力」、課題は?

花王が展開する「肌温度を下げる」冷却シートの売れ行きが好調だ。一般消費者だけでなく、工場や現場仕事など暑さが厳しい環境で働く人々からの支持も獲得している。その一方で、ある課題も見えてきた。

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 花王が展開する「肌温度を下げる」冷却シートの売れ行きが好調だ。一般消費者だけでなく、工場や現場仕事など暑さが厳しい環境で働く人々からの支持も獲得しているという。

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花王の「肌温度を下げる」冷却シートが好調(猛暑対策展で編集部撮影)

 花王が2023年2月に発売した商品は「ビオレ 冷(ひや)タオル」「ビオレ 冷(ひや)バンド」(以下それぞれ冷タオル、冷バンド。各577円)。両商品を30度の室内で肌にのせて使用した場合、肌温度を3度ほど下げる効果が約1時間続く。厚手のシートに含まれる冷却ウォーターが熱を吸い込み、蒸発する気化熱の作用で肌の熱やほてりを逃がす仕組みだ。通常の濡れタオルとは異なり、服の上から使用しても濡れてしまう心配がない。

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肌温度を3度ほど下げる効果が約1時間続く(ビオレ公式Webサイトより引用)

 使用用途に応じて、2サイズを用意した。冷タオルのサイズは46センチ×23センチで、主に首にかけて使用する。冷バンドのサイズは92センチ×20センチと大判で、首にかけるだけでなく頭に巻いて使用することもできる。いずれも個包装タイプで3年間保存が可能であり、防災グッズとしての役割も果たす。

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使用用途に応じて2サイズを用意(猛暑対策展で編集部撮影)

 同社では冷タオルや冷バンドを、自社工場の暑さ対策として導入している。「工場には業務上、暑い環境を避けられない職場が多くあります。こうした職場で冷タオルや冷バンドを活用しています」(同社広報担当者)。また、動物園の飼育員や車夫、庭師、着ぐるみの中の人など、厳しい暑さで働く人々からも支持されており、「首元が涼しくリフレッシュできた」「大判なので体をふくのにも良い」「思った以上にひんやり感が続く」といった声が寄せられているという。

猛暑で急拡大のひんやりグッズ市場

 冷タオルや冷バンドの人気拡大に一役買っているのが、ハンディファンだ。ハンディファンとは手持ちの小型扇風機で、特に若い世代では夏の新しい必需品となっている。ただハンディファンは風を送るだけなので、周囲が暑いと送られてくる風も暑くなってしまう。冷タオルや冷バンドを組み合わせることで、送られてくる風がひんやりする相乗効果があるのだ。

 今後、冷タオル・冷バンドに改善の余地はあるのか。同社の広報担当者は「差別化が欠かせない」と話す。前述のハンディファンは送風機能だけではなく、カラー、サイズ、デザインの多様さも普及を後押ししたと考えられる。

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冷タオル(猛暑対策展で編集部撮影)

 一方、現在の冷タオル・冷バンドは白色展開のみであるため、首にかけたり頭に巻いたりして人前に出ることが「恥ずかしい」と感じる人もいるのだという。利用者のコーディネートや利用シーンを邪魔しないよう、カラーバリエーションやデザインを増やす改良を行っていきたいと同社広報担当者は話した。

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冷バンド(猛暑対策展で編集部撮影)

 猛暑を背景に、ひんやりグッズ市場は拡大を続けている。同社広報担当者によると、小売り各社の売り場では冬物に切り替えるタイミングが遅くなっているという。厳しい暑さを追い風に、冷タオル・冷バンドはどこまで売り上げを伸ばせるか。

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拡大を続けるひんやりグッズ市場(猛暑対策展で編集部撮影)

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