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ヤンマー、ロボットアニメ本格参入に「勝算」があるワケエンタメ×ビジネスを科学する(1/4 ページ)

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 ヤンマーホールディングスは7月18日、オリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』を2025年春に地上波で放送することを発表した。単発の映像作品ではなく、全5話を予定している。


ヤンマーのオリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』(出所:公式Webサイト)

 同社によるアニメプロジェクトは2023年6月に発表されたもので、米国開催の「Anime Expo 2023」では会場に作品内のロボットを展示し、注目を集めた。アニメを活用し、国内外におけるブランド認知度の向上と、将来のオリジナルIPの育成を図っていくようだ。

 本稿ではこの例を基に、「ツール」としてのアニメ活用について展望したい。

販促としてのアニメ活用の歴史

 アニメを自社製品のプロモーションに活用する、また、それを目的としたアニメ製作自体は珍しいものではない。昭和の時代から特に子ども向け商品で行われてきた。

 その代表例がガンダムシリーズだ。サンライズ制作の『機動戦士ガンダム』の人気を背景に爆発的に売れたバンダイの「ガンプラ」は、初期ブームの終焉(しゅうえん)後も後続シリーズと連動して商品展開を行い、約半世紀にも及ぶ長寿コンテンツとして今に至っている。


ガンプラ40周年となる2020年12月に発売された「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」(出所:プレスリリース)

 短尺のCMにアニメを活用することも、古くから行われている。なお、ここでは技法としての「アニメーション」ではなく、CMの主軸に「アニメ」を置いたものを指す。代表例は食品メーカー桃屋の「のり平」シリーズである。同社のアニメCMは1950年代から放送が始まった。

1958年に放映された桃屋、のり平のアニメCM

 ヤンマーが一社提供していた「ヤン坊マー坊天気予報」も、正確にはCMではないが、目的は同様だ。オープニングアニメは半世紀にわたって放送され、認知度は高い。この他、新海誠監督による大成建設のCMをはじめ、日清やトンボ学生服など多くの企業が「アニメCM」を活用し、ブランドイメージ向上に取り組んでいる。


2024年1月にデザインを刷新した「ヤン坊マー坊」(出所:プレスリリース)

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