ヤンマーホールディングスは7月18日、オリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』を2025年春に地上波で放送することを発表した。単発の映像作品ではなく、全5話を予定している。
同社によるアニメプロジェクトは2023年6月に発表されたもので、米国開催の「Anime Expo 2023」では会場に作品内のロボットを展示し、注目を集めた。アニメを活用し、国内外におけるブランド認知度の向上と、将来のオリジナルIPの育成を図っていくようだ。
本稿ではこの例を基に、「ツール」としてのアニメ活用について展望したい。
販促としてのアニメ活用の歴史
アニメを自社製品のプロモーションに活用する、また、それを目的としたアニメ製作自体は珍しいものではない。昭和の時代から特に子ども向け商品で行われてきた。
その代表例がガンダムシリーズだ。サンライズ制作の『機動戦士ガンダム』の人気を背景に爆発的に売れたバンダイの「ガンプラ」は、初期ブームの終焉(しゅうえん)後も後続シリーズと連動して商品展開を行い、約半世紀にも及ぶ長寿コンテンツとして今に至っている。
短尺のCMにアニメを活用することも、古くから行われている。なお、ここでは技法としての「アニメーション」ではなく、CMの主軸に「アニメ」を置いたものを指す。代表例は食品メーカー桃屋の「のり平」シリーズである。同社のアニメCMは1950年代から放送が始まった。
ヤンマーが一社提供していた「ヤン坊マー坊天気予報」も、正確にはCMではないが、目的は同様だ。オープニングアニメは半世紀にわたって放送され、認知度は高い。この他、新海誠監督による大成建設のCMをはじめ、日清やトンボ学生服など多くの企業が「アニメCM」を活用し、ブランドイメージ向上に取り組んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「排熱が熱くないスポットクーラー」初日で完売、メーカーも驚く どう開発した?
メーカーも想定外の売れ行き。どうやってこの製品は生まれたのか。
インバウンド殺到の渋谷ドンキ 「月に1億円」売れるお菓子とは?
東京都で最も訪日客が訪れる街、渋谷のドン・キホーテでは何が一番人気なのか? インバウンド需要の最前線を取材した。
「“この施策おかしい”は褒め言葉」 ファミマ「たぶん40%増量作戦」の狙いは?
今年で4年目となる同施策。「たぶん」を付けたキャンペーン名にも理由があった。
なぜ、キットカットは日本だけ「40種類」もあるのか? 爆買いされるのに「外国人ウケ」は決して狙わないワケ
インバウンドに大人気なあのお菓子。商品開発の裏側は。
セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか
店舗におけるオペレーションDXは必要不可欠だ。しかし欧米では、セルフレジを撤廃する事例が現れ始めている。その理由を探ると、DXの本質が見えてくる。


