“閉店ドミノ”の「ドミノ・ピザ」が、さらに「苦戦」しそうなワケ:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
2023年に国内1000店舗を達成していた「ドミノ・ピザ」の閉店ドミノが話題になっている。好調から一転、なぜこのような事態になっているかというと……。
ドミノ・ピザの再進出は至難の業
しかも「7NOW」は基本的にセブンで扱っている商品を届けている。コンビニの棚に並ぶ無数の飲料や総菜、スナック菓子、スイーツと組み合わせられる。サイドメニューの豊富さでは圧勝なのだ。
仮に今回の「閉店ドミノ」を乗り越えて体制を整えたドミノ・ピザが撤退したエリアに再進出を果たそうと思っても、そこには既にセブンがいて「7NOW」を着々と広めている可能性が高い。ということは、その商圏内の客はセブンの安くて速いピザと、豊富なサイドメニューを堪能しているということだ。
ここを切り崩していく、というのはドミノ・ピザからすればかなりの至難の業だろう。
首都圏を中心に出店攻勢を仕掛けるイオングループの「まいばすけっと」が、商圏内のコンビニ客を奪うことから「コンビニキラー」の異名を取っているが、今度はセブン側が「7NOW」を武器に、「宅配ピザキラー」になるかもしれないのだ。
そこに加えて筆者が、ドミノ・ピザの「2000店舗」が厳しい道のりだと考える理由がもう1つある。いろいろな専門家の方たちが「日本のピザ市場は今後も有望」ということをおっしゃっているが、言われているほど右肩上がりで成長をしているような世界ではなく、かなりシビアな競争を強いられるレッドオーシャンなのだ。
東日本電信電話(NTT東日本)が公開している「タウンページデータベース」によれば、全国のピザ店の登録件数は2013年に2377件だったが、毎年減少を続けて2022年には1840件にまで減っている。ピザ店自体は長期的な減少トレンドに陥っている。
新規プレーヤーの参入や商品数が増えて「市場規模」が大きくなっていることは間違いないだろうが、それはあくまで「コロナ禍」のような特需が後押しになっている可能性が高い。人口減少で消費が冷え込んでいく一方の日本では「瞬間風速的なバブル」かもしれないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「薄皮たまごパン」7カ月で1200万個の大ヒット ランチパックたまご味と消費シーンがどう違うのか?
山崎製パンの「薄皮たまごパン」が異例のヒットを記録している。2024年1月の発売から7カ月で1200万パックを販売し、圧倒的な存在感を示している。なぜこれほど売れているのか。
なぜ、すき家は“ディストピア容器”を提供するのか 「並盛430円」のスゴさが見えてきた
すき家が一部店舗で導入している容器が「ディストピア」のようだと、たたいている人がいる。だが1000円以下で食べられる牛丼チェーンに対して皮肉を言うことは、全てわれわれに特大ブーメランになって返ってきているのだ。どういうことかというと……。
なぜマックで“客への反撃”が増えているのか いまだ続ける「スマイル0円」との関係
マクドナルドの店員が客にブチギレしている様子の一部始終がSNSで拡散され、話題となっている。1月には迷惑客への対応で英雄視されたマッククルーもいたが、なぜこのような事態になっているのだろうか。
