「冷やしシャンプー」はなぜ生まれた? 背景に「1000円カット」台頭と、厳しい暑さ 山形県外にも拡大しているワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
山形県で誕生した「冷やしシャンプー」。現在は山形県以外にも拡大している。その背景とは?
日本の夏が年々暑くなっていると感じている。湿度も高く、最高気温が35度を超える猛暑日に外を歩くのは、命の危険を感じるほどだ。
こんなすさまじく暑い日に涼しくなれるサービスが、埼玉県熊谷市にあった。それは「冷やしシャンプー」だ。理容室「ハル理容院」などで提供されている。
詳しくは後述するがハル理容院には「ハイボールシャンプー」「極寒冷熊コース」「流し冷和」などの冷やしシャンプーメニューがある。カンカン照りの真夏の日を、スッキリとした気分で過ごせると外回りの営業マンなどに好評という。
気象庁によれば、熊谷市は2018年7月23日に観測史上最高となる41.1度を記録している。
熊谷市では暑さ対策に力を入れている。例えば、熊谷駅広場で5月から10月まで冷却ミスト装置の自動運転を行う。冷やしシャンプーは民間による暑さ対策の取り組みの一つといえる。
冷やしシャンプーとは、メントールの成分が入ったトニックシャンプーを冷蔵庫でキンキンに冷やしてシャンプーをする、理容室のサービス。その後、冷水かぬるま湯で洗い流す。同じく夏の暑さが厳しいとされる山形市発祥だ。
提供店によって独自のアレンジがある。シャンプーにかき氷を混ぜて使ったり、洗髪に冷えた炭酸水を使ったりと、より効果的に冷やす工夫をしている。
山形市でかつて、1933年7月25日に観測された40.8度が日本最高気温となっていた。2007年8月16日に、熊谷市と岐阜県多治見市が40.9度を記録するまでは、74年間も日本最高気温が観測された地だった。
熊谷市のハル理容院では、山形県の理容室で結成した「山形県・冷やしシャンプー推進協議会『ひやしびと』」(以下、「ひやしびと」と略す)の研修を受け正式な認定を受けた、“正統山形流”のサービスを売りにしている。暑さ対策は、山形に学べというわけだ。
東京都内にも、「東京ミッドタウン日比谷」内にある「理容ヒビヤ」が“正統山形流”を伝授されており、よく似たサービスを提供する競合店とは一線を画している。
冷やしシャンプーとは、どのようなサービスなのか、具体的に見ていこう。
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