「冷やしシャンプー」はなぜ生まれた? 背景に「1000円カット」台頭と、厳しい暑さ 山形県外にも拡大しているワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)
山形県で誕生した「冷やしシャンプー」。現在は山形県以外にも拡大している。その背景とは?
都内で導入する店舗も
東京では、有楽町にある東京ミッドタウン日比谷3階、「HIBIYA CENTRAL MARKET」内にある理容ヒビヤが、山形の冷やしシャンプーを導入している。施術に、ひやしびと開発のシャンプーとトリートメントを使う。
HIBIYA CENTRAL MARKETは、書店チェーンの有隣堂が運営する路地的なカオス感のある複合店舗で、237坪のスペースに、書店、理容店、居酒屋、眼鏡店など7つの業態が展開されている。
理容ヒビヤは、「日本最高レベルの衛生管理を誇る、日本品質の理容店。お客さまとの床屋談義を大切にした古き良き理容室」がコンセプト。有隣堂・広報によれば、「開業時にアドバイザーの勧めで冷やしシャンプーを導入した。成分がマイルドで髪にやさしい。理容師サイドから見ても、手荒れしづらい処方になっている」とのこと。
利用者は近隣オフィスやお店で働く人が多い。特に東京ミッドタウン日比谷はそれ自体、オフィスビルでもあり、商業施設でもあるが、同じビル内に勤務する人の需要が高い。夏にはぴったりのサービスなので、涼感を求める人に人気だ。同店では冬も冷やしシャンプーの施術は可能で、暖房でほてった頭がスッキリする。
理容ヒビヤは通常の調髪メニューのオプションとして、冷やしシャンプーを行っており、550円の追加料金がかかる。また、同じく550円の追加料金で、炭酸クレンジングも可能としている。
猛暑で頭がぼんやりとして、仕事、勉強、家事に集中できない時、シャキッとするサービスとして冷やしシャンプーが、ますます広がっていくのではないだろうか。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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